ドラム

Crescent Hammertone Ride 20

 昨今、シンバルブランドは乱立(失礼)しており、なにがなにやらわからない。このCrescentもそのひとつ(失礼)だ。

 調べてみると、ちょっと複雑な歴史があることがわかった。

 1996年にボスフォラス(Bosphorus)が発足するのだが、これはシンバル・マスターズというアメリカの会社が「Bogazici Zil (ボアズィチ・ジル)」という工房のOEMで運営していたんだそうだ。知らなかった。なお、このシンバル・マスターズの運営にジェフ・ハミルトンもからんでいたということで、ボスフォラスブランドからハンマー(Hammer)というシグネチャーモデルが出ていた。
 ところが、シンバル・マスターズとボアズィチ・ジルがトラブったようで、2012年にシンバル・マスターズはボスフォラスブランドをボアズィチ・ジルに譲渡し、新ブランドであるクレセントを立ち上げた。OEM先は不明だが、品質はボスフォラスと同等だったようだ。また、クレセントのラインナップは、ボスフォラスにならった。そのためこの時期に、ボスフォラスのハンマーの焼き直しとして、ハンマートーンが商品化された。
 そして2014年、クレセントブランドはセイビアンに譲渡され、セイビアンの1ラインナップになった。生産はセイビアンの工場に変更された。

 ということで、このトルコ製クレセントは、たった2年しか生産されていない。希少かも。

 手に入れたハンマートーンだが、おおむねボスフォラスのハンマーと同じだ。ハンマーは何度か手に入れたことがあるのだが、このハンマートーンは若干コンプレックス度が低い。ピッチは低目で、低音が出ないのは共通だ。まあ、バラツキの範囲内くらいかな。ひょっとして、OEM先は変わってなかったりして。

 セイビアン製のハンマートーンって、どうなんだろうね。

Crescent Hammertone Ride 20
 (クレセント ハンマートーン ライド)
 サイズ: 20インチ
 厚さ:  シン (Thin)
 仕上げ: ハンド・ハンマリング
      レイシングは浅め
 重量:  2.0kg

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Last Update : 2002/03/23