ドラム

Kitano Stainless Steel Snare K-SUS SD 1450-2.5

 北野製作所というメーカーが作っているスネアだ。

 厚い金属胴のスネアは、ソナー、DW、パール、タマなどから出ているが、これらは鋳造後に研削を行うという加工方法になっている。よって、比較的柔らかくて加工がしやすい金属である、ブロンズ、ブラス、アルミなどが中心で、最も硬くてもスチールだ。

 キタノのスネアはこれらとは異なり、硬くて加工が困難な材料であるチタンの厚板を、円筒状に曲げ加工して溶接するという手法を採っている。胴の厚さ違いでいろいろな製品があるが、一番厚い製品はなんと6mmのチタン板を使っている。ぜひ、一度叩いてみたいものだ。

 しかーし、高価なのよ。30万くらいする。

 そのキタノが普及品として出しているのが、ステンレス・スチールの製品だ。その中でも、最も廉価=最も薄いヤツ、がこいつだ。それでも、フツーのスチール製スネアだと胴の厚さは1mm前後しかないが、こいつは2.5mmもある。また、フツーの金属胴スネアは、エッジを曲げ加工することで成形しているが、こいつは切断面がそのままエッジになっている。ただの円筒だ。

 はい、いらっしゃい。

 あー。2.5mmでも結構重いね。なんと5.6kgもある。で、溶接したとこが、結構ぼこぼこしてる。フツー、表面はちゃんと削って、メッキがかけてあって、どこで繋いでいるかわかんないようになってるのにな。スイッチは、耐久性の乏しさで話題のピストン・ドライブだ。ラグは、ブラス製の真ん中1本型。このタイプは、あんまり好きじゃないんだけどな。ヘッドを片方だけ張ると壊れそうで。

 では、バラシましょう。お。ラグはかなり頑丈。これならこのタイプのラグでも大丈夫かも。フープだが、トップは2.3mmの厚めで、ボトムが1.6mmと変えてある。珍しいけど合理的かも。ボルトには、ソナーっぽいナイロンワッシャーが着いてる。

 シェルのコーティングはブリスが無くなったのでシェアラスター、金属部品にはクレ・スーパーポリメイト。各部をグリスアップ。エッジにはろうを塗布。ヘッドはレモのコーテッドアンバサダーとスネアサイドという定番。スナッピーはパールのノーメッキに交換。はいできあがり。

 では叩いてみましょう。

 あー。うまくスナッピーがひっぱれないな。あれ。現有のステーブ・バーチのピストンドライブには、ワイヤーのガイドが付いてるのに、これには無いよ。これだとレバー比で引っ張る量が少なくなっちゃう。旧型のスイッチなのかな。なので、スナッピーの調整がシビアだ。それを除けばなかなか良さそう。けっこうオープンに鳴ってくれる。

Kitano K-SUS SD 1450-2.5(キタノ ステンレス・スチール スネア)
 サイズ:   14×5
 シェル:   スチール 2.5mm 溶接胴
 フープ:   トリプルフランジ 10テンション
         トップ:2.3mm ボトム:1.6mm
 スイッチ:  ニッケルワークス・ピストンドライブ
 スナッピー: パール 20本 ノーメッキ 内面当たり
 ヘッド:   レモ・コーテッド・アンバサダー / レモ・スネアサイド
 年式:    不明

 スイッチはピストン・ドライブの旧型?。ワイヤーのガイドが欲しいな。

 エアホールは、スイッチの裏側にある。

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Last Update : 2002/04/12