ドラム

Ludwig Supersensitive Ludalloy Snare LM410

 世界で最もスタンダードなスネアといえば、ラディックのLM400ではなかろうか。14x5のラディアロイと呼ばれる金属胴。そこかしこで見られるスネアだ。しかーし、あまのじゃくなワタクシがそんな一般的なモノを買うはずがない。てなわけで、選んだのが兄弟分であるLM410だ。簡単に解説しよう。

型番 サイズ  スナッピー
LM400 14x5   内面当たり(スープラフォニック)
LM402 14x6.5  内面当たり(スープラフォニック)
LM410 14x5   全面当たり(スーパーセンシティブ)
LM411 14x6.5  全面当たり(スーパーセンシティブ)

 これをLM400シリーズ、としよう。シェルがハンマードだったり、ラグがチューブだったりの、いとこはとこがいっぱいいる。スティーブ・ガッドとかがLM400で、ジョン・ボーナム、イアン・ペイス、コージー・パウエルとかとかはLM402ね。

 LM400シリーズのデビューは64年だ。それまで、メタルのスネアといえば材質がブラスだった。コストダウンと新しい音を求め、まず62年にシームレス・アルミシェルのアクロライトがデビュー。その2年後、アルミ合金にクロムメッキを施した「ラディアロイ」シェルのLM400シリーズが発売された。当時はLM4**という名称はついておらず、内面当たりがスープラフォニック、パラレルアクションスイッチで全面当たりの方はスーパーセンシティブと呼ばれた。

 スーパーセンシティブのスイッチは、68年に変更され今に至る。変更前のモノを見たことはないのだが、動作に問題があるらしい。また、ラディアロイはメッキやアルミ合金の材質が少しずつ変更されており、60年代のものはメッキがはげやすい。それもあって、70年代のモノがいいとされているようだ。

 ワタクシのは、その70年代のもの。バッジはいわゆるブルー・オリーブ。右上・左下の角がとがってるのが70年代で、80年代のはそこが丸い。状態はそこそこいい。まずは・・・胴に磁石をくっつけてみよう。お、ほんとにくっつかないね。

 例によってオーバーホールされるのであった。スイッチの機構がおもしろいというか無理があるというか。通常、パラレルアクションのスイッチは、張ったままのスナッピーが上下するだけのモノが多いが、こいつは変なリンクが付いていて、回転でゆるめたり張ったりする。しかし、スイッチをオフにすると、フープのガードに当たってしまい、スナッピーがスネアサイドのヘッドに当たるので、ちゃんとオフにならない。これは、ラディックのスネアサイド・ヘッドにすることで、おおむね解決する。ラディックのはフラットなんだよね。そして、スナッピーの当て量はマイナスドライバーを使い、リンクの長さを変えることで調整できる。この機構は言葉での表現が難しいので、ぜひ実物を見て欲しい、って困難か。

 では、叩いてみましょう。お、いいんでない。パワーは少なめだけど、締まったカンジ。ワタクシは割とメタルが好きだもんね。

 こうなるとLM400も欲しいよね。きっと買わないけどね。

Ludwig LM410 Supersensitive Snare
  (ラディック スーパーセンシティブ スネア)
 サイズ:   14×5
 シェル:   ラディアロイ 
 カラー:   クロムメッキ
 フープ:   トリプルフランジ 10テンション
 スイッチ:  パラレルアクション(P70)
 スナッピー: 全面当たり16本
 ヘッド:   打面 レモ・コーテッド・アンバサダー
        裏面 ラディック・スネアサイド
 年式:    70年代

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Last Update : 2002/10/31