最近、大坂昌彦さんがシングルフランジのフープに凝っているそうな。先日のライブでも、ラディックのブラス5インチ、8テンションでシングルフランジ・フープのスネアを使っていた。ずっとヤマハだったから珍しい。なので、ちょっと試してみようかなと思ったが、おいそれと買えるモノでは無い。
大坂さんのやつは8テンションなので、たぶん20〜30年代のパイオニアかスープラというモデルと思われる。なかなか高価。さらに、ブラックビューティーなんていうのもあるが、とんでもない値段だ。そこで比較的手頃なこいつを入手した。
ユーバーサルというのは、当時の普及機で、いわゆるスチューデントモデルだ。胴はパイオニアと同じくブラスだが6テンションだ。年代は20年代で、ラディックの歴史はこんなカンジなので、この後に会社を売っちゃうんだね。
はい、来ました。状態はまずまずで90年前の楽器とは思えないカンジ。とりあえず叩いてみるが、スイッチが落ちる。ここは要改善だね。
ではばらしましょう。いつものように脱脂洗浄。フープが歪んでいるので、ゴムハンマーで整形。胴、フープ、ラグのコーティングはシュアラスター・ゼロウォータードロップ。スイッチはカムをダイヤモンドやすりで削る。これが一苦労で、1時間以上かかった。各部グリスアップ。ワッシャーはタマ。ミュートにムーンジェル。はいできあがり。
では叩いてみましょう。むむ。高域が出ない。減衰が速い。全体にダンピングが高く、ビンテージの木胴っぽいのだが、金属っぽい超高域は残る。
地味な音だが、まあ、ジャズならいけるかな。使っていってみましょう。
Ludwig Universal Crome over Brass Snare
(ラディック・ユニバーサル COB スネア)
サイズ: 14×5
シェル: ブラス COB
カラー: クロムメッキ
フープ: スチール・シングルフランジ
スイッチ: 片側調整
スナッピー: カノウプス ノーメッキ 20本 内面当たり
ヘッド: 打面 レモ コーテッド・アンバサダー(JP)
裏面 レモ スネアサイド
年式: 20年代
ユニバーサルの刻印