ドラム

Premier XPK Heritage Club Kit 7340

 ついつい買ってしまった。

 プレミアはUKの打楽器メーカーだ。60年代のロックブームで成功を収める。しかし、米国や日本のメーカーとの競争に敗れ、87年にヤマハに買収される。その後いくらかの変遷の後、現在はUKの企業家グループが所有している。思いつくユーザーといえば、キース・ムーン、ミッチ・ミッチェル、ウルフルズ、あたりかな。

 本機「Premier XPK Heritage Club Kit 7340」は、99年に発表された。当時のプレミアのラインナップは、上からシグニア、ジェニスター、XPK、オリンピックで、XPKは中級機だ。材料はバーチ+ユーカリの3プライ。こいつには赤の「P」バッジが付いているので、初期のものだ。その後に楕円形のバッジに変更される。現在のラインナップは、上からプレミア、アーティスト、ニューカブリア、オリンピックと変更され、クラブキットは「Premier Artist Heritage Club Kit 7340」となった。胴はオール・バーチの6プライに変更され、XPKはUK製だったが、アーティストは台湾製となった。なので、現行機とは音が違うだろう。ということで、クラブキットは時代によって3種類あり、こいつは初代だ。

 GATEWAYの記事 を参照下さい。ただし、この記事は現行のバーチ6プライだ。

 特筆点はキックが20x8ということだろう。コンパクト・セットのキックって、14(TAMAね)か16か18。20だとコンパクトにならない。で、口径が20ながら深さが8インチと浅くなっている。逆転の発想かも。ヒップギグやヒップギグ・シニアは小径で深いよね。それが吉と出るか凶と出るか。

 はい、いらっしゃい。まずはキックからメンテだ。いつもラグの状態を見て、バラすかどうか決めるのだが、うーん、ま、いっこ外してみるか。あら。ラグナットをナイロンのストッパーで止めているのは、割とよくある構造なのだが、そのストッパーが奥まで挿入されていないので、曲がってしまっている。通常、ストッパーはシェルと当たることで奥まで入るのだが、キックのラグだけフープの関係で樹脂のゲタを履かせてある。このゲタにストッパーが当たらないんだな。と、文章で書いてもよくわかんないけど、設計に問題がある。タムのラグは大丈夫だもんね。なので、全バラを決意する。あー。レッグ固定用のシェル内側にあるプレートだが、亜鉛メッキだよ。フツーはないよね。で、錆びてシェルに固着している。全般にネジやワッシャのメッキ品質は悪い。結構錆びてるな。でも、サイズが特殊なので、交換しがたいんだよね。ワッシャは、外径の割に穴径が小さいんだよね。

 ちゃんとメッキしてちょうだい。

 ということで、パーツを洗浄、スーパーポリメイトでコーティング。シェルはブリス。各部グリスアップ。キックのミュートはソナーのフェルト。タマのフェルトが生産中止になっちゃったので、入手できるのはソナーかジブラルタル。ジブラルタルのはうすっぺらいのでソナーになっちゃう。ソナーとはいえ、そんなに高くないので大丈夫。はい完成。

 戸田3のライブと、オブリガートのセッションで使ってみた。キックの厚さが薄いので、セッティングの前後寸が短くて済む。HipGig Sr.なんか、22インチもあるから、困っちゃう。それに、軽い。なので、狭い店には向いてるね。

 音は問題なし。十分使える。セッティングも楽なので、これから使っていくかも。

Premier XPK Heritage Club Kit 7340 (プレミア XPK ヘリテイジ クラブキット)
 シェル: バーチ+ユーカリ+バーチ 3プライ
 カラー: シルバー・スパークル(SSG)
 フープ: スチール・プレス トリプルフランジ 1.6mm
 サイズ:
  キック   20×8
  タム    10×6
  フロアタム 13×11
 ヘッド:
  キック プレミア・TSスムースホワイト / マッチプレイ
  タム  プレミア・TSコーテッド / TSクリア
 年代:  00年代

 コーテッドヘッドは久々。CSに変えるか検討中。

追記:手放しました。

banner
Last Update : 2003/09/20