ドラム

YAMAHA YD-3000 steel snare SD-350M

 今回も、安い楽器でいい音出そうシリーズなのだが、木胴はちょっと難しいかなと思う今日この頃なのである。メランティとかバスウッドとか安い木材の特徴は、柔らかいことだ。その結果として胴の剛性が低く、まあ、いまひとつまとまらない。ならば、スチールがいいかというと、この台湾製のスチールなんか、中域にクセがある。パーツの特製なのかな。そこで注目したのが、このスネアだ。

 YD-3000は、1976年のデビュー。85年まで生き延びていたと思われる。ヤマハの歴史はこちらを参照。ヤマハの最廉価セットで、胴はメランティというやすーい南洋材だ。

 この頃のスチールスネアのラインナップと特徴は以下だ。

SD350M 8テンション 内面当たり
SD755M 8テンション 全面当たり
SD955M 10テンション 全面当たり
SD055M 10テンション 切削リム パラレルアクション

 なんと、すべて持っていたことがある。

 特筆すべきは、胴がスチールのシームレスで、たぶん一緒なことだ。一番安いSD350Mもシームレスなので、サイズこそ違えど、おそらく同じ材質だろう。ちなみに、作り方を知っていますか? ドーナツ型の平板を伸ばして作るのよ。こちらのSONORのシームレススチール加工工程を参照下さい。

 現在シンバルを製造している小出は、この伸ばし加工の技術を持っており、サカエドラムにスチール胴を納入していたそうだ。よって、このスネアの胴も小出製の可能性がある。

 あれ。ところでSD755Mって、気に入らなくて売っちゃったんじゃ? SD350Mと同じじゃね? 都合良く過去は忘れるのである。

 パーツを洗浄。今回はシェアラスターのゼロウォータードロップでコーティング、グリスアップ、組み上げ。エッジにはロウを塗り、ヘッドはレモのコーテッド・アンバサダーの000と、レモスネアサイドのスムースホワイト。スナッピーは、当初パールのノーメッキだったが、ピュアサウンドに変更。ミュートは百均の転倒防止ジェル。はいできあがり。

 では叩いてみましょう。うん。いいんじゃない。スナッピーを換えてさらに良くなった。

 スチール5インチ、プレスフープ8テンションって、黄金の組み合わせだよね。

YAMAHA YD-3000 seamless steel snare SD-350M
  (ヤマハ YD-3000シリーズ スネア)
 サイズ:   14×5
 シェル:   スチール 1mm(推定)
 フープ:   スチール・トリプルフランジ 1.6mm 8テンション
 スイッチ:  片側調性
 スナッピー: Pure Sound Custom Pro CPB1420 20本 内面当たり
 ヘッド:   打面 レモ コーテッド・アンバサダー 000
        裏面 レモ スネアサイド スムースホワイト

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Last Update : 2007/06/14