初代のキート。14年12月発表され17年2月に廃番と、2年ちょっとしか売られなかった。
豊橋にあるシライ楽器のオリジナル。ネギドラムで作っている。胴は柔らかくて軽いアガチスの薄胴+レインフォースだ。アガチスはギターではマホガニーの代用材として使われている。ということなので、性質はマホガニーに似ているようだ。ドラムだと、マホガニーってあんまり使われない。グレッチの廉価品がマホガニーってなってるけど、違う南洋材かも。そもそも安いドラムは、材質が「ウッド」とか「ハードウッド」とか、明記されないことが多い。例外的なのがヤマハのメランティやフィリピン・マホガニーかな。まあ、マホガニーはドラムとしては柔らかすぎて、高級機には使われない。ネギの記事を読んだことがあるが、エンドーサーはけっこうアガチスを選ぶらしい。しかしながら、なかなか高い値付けができないだろうな。
シライ楽器は材質を公表してなかったんだけど、ネギが口を滑らせたらしい。
キートの初号機もけっこうリーズナブルなお値段。ちょっと興味があって、セットは叩いてみたいなと思っていた。現在は多少フィニッシュなどが変わって売られている。このスネアは初号機だ。
はい、やってきました。発売後5年くらいなので、軽くクリーニングするだけでいいかなと思ったが、ラグにけっこうビッツ(メッキに発生するブツブツ)が出ていたので、全バラした。
シェルは軽い。スネアベッドは削ってない。塗装が薄いので蜜蝋を塗布。問題のラグだが、亜鉛ダイキャストでかなり薄く軽く作られている。それは狙いなのだろうが、仕上げが悪い。エッジがけっこうガタガタ。バリ取りの跡っぽい傷が残りそこにメッキがかかっている。そのメッキがまた薄い。また、ラグナットはビンテージのようなスプリング支持。スプリングの泣きを抑えるために、PPのシートが挟んである。このラグ、ビンテージねらいなんだろうけど、もうちょっと品質は良くしたほうがいいだろう。フープはパールのファット・トーンに換えてあった。各部クリーニングとグリスアップ。ヘッドはレモ、スナッピーは定番のパールメッキレス20本。はいできあがり。
では、叩いてみましょう。うーん。スナッピーの収まりがイマイチ。なんか整備前の方が良かった。実は、スナッピーはパールのメッキレス24本が付いていた。メッキレスに24本があるって知らなかったんだけど、手持ちの20本に換えたのね。チューニングをあれこれやってみたが決まらない。なので、24本に戻してみた。と、こちらのほうがいい。他のスネアでも試してみようかな。それとも、スネアベッドが無いせいかもね。で、倍音を落とすのに、ムーンジェルを貼付。
音は、やはり胴の剛性が低い感じかな。高域があんまり出ない。減衰も早め。8テンションだけどあんまりオープンでも無い。フープの影響もあるかな。
まあ、使ってみましょう。
Shirai Keet K-SD14575 snare (シライ・キート)
サイズ: 14×5.75
シェル: アガチス 4プライ 5mm + 4プライ レインフォース
カラー: ステイン
フープ: パール ファット・トーン スチール・プレス 1.6mm 8テンション
スイッチ: 片側調整
スナッピー: パール ノーメッキ 24本 内面当たり
ヘッド: レモ・コーテッド・アンバサダー / スネアサイド
年式: 2015-16年