ドラム

SONOR Force 505 Steel Snare

 ドラムマガジン07年5月号で、安いスネアの特集が組まれていた。ウッドで最も安いのはゼンだ。「楽器は値段ではない」というポリシー(うそ)から、いってみた。これを機に、ヲタクを脱してチープシッカーに転身しようかと。で、ホントは金属胴の方がいいんだけど、5か5半じゃないといや。なんかないかなーと思っていた。

 ソナーの廉価版は中国生産だ。(こちらを参照) 現在のラインナップは、フォース3007、2007、1007、507の4機種。ソナーは中国に自社工場を持っている。グレッチとかラディックとかDW(PDP)とか、ほとんどのメーカーの初級機は中国、韓国、台湾からのOEMだから珍しいパターンだ。

 フォース505は先代の最下級機種だ。05〜06年に販売されていたが、507にマイナーチェンジされた。ハードウェア(スタンド類)付きのセット(1バス2タム1フロア)で7まんくらいかな。国産、もとい、国内ブランドの初級機とほぼ同じ。国内ブランドも、廉価版は国産じゃないもんね。パールは全部台湾だし。

 友人が子供用にと、マイチェン後に処分されていた505を購入した。なんと4まん弱。スネアは他にヤマハのメイプルカスタムがあるということで、付属のスネアを格安で譲り受けた。なお、このスネアはセット販売のみで、単品では売っていない。まあ、ハード込み7まんのセットだから、単品があったとしても1まんくらいかな。ま、かなりの廉価品であることは間違いない。

 はい。いらっしゃいました。ソナーのスチールといえば「シームレス・フェローマンガン・スチール」ってやつで、一体成型されており継ぎ目がない。しかしながら、こいつは溶接でビードが5本。ヤマハの金属胴もシームレスだったのだが、2005年から溶接になった。どっちがいいかというと、どっちなんでしょ。Youtubeにシームレスの製造工程があるが、かなり大胆に成型するのね。なんか、溶接の方が品質が安定しそうな気もする。続いてラグだが、フォース1007以上はソナーのマークが入っている。しかし、こいつにはない。まる買いのOEMだね、きっと。バッジをつけるだけといういさぎよさ。マックストーンっていう廉価セットがあるけど、あの辺とおなじじゃないかな。似たようなビードが入ってる。スイッチも、フリクションが大きくださださ。ま、ちょっとがっかりな外見ではある。ソナーの特徴は全くない。

 いつものようにバラシだ。テンションは8本。ラグ本体はダイキャストのワンピースで、薄く作ってある。ラグの内部構造は、上下のナットの間にスプリングが入るという、大昔のタイプだ。ゼンのは樹脂のストッパーが入る今風の構造なのにね。スイッチのフリクションがでかいのは、狙ってるみたいだな。リンク部に板バネがいちいち入っている。グリスアップだけとしたが、交換したいな。いつものように、シェルのコーティングはブリス、金属部品にはクレ・スーパーポリメイト。各部をグリスアップ。エッジにはろうを塗布。チューニングボルトのワッシャーにはタマの黒プラスチックを追加。オリジナルのヘッドは中国レモのUXのコーテッドとスネアサイド。現在、ソナーのヘッドはレモのOEMだが、中国にもレモはあるんだね。台湾にあるからそっちかと思っていたが違うんだ。フィルムはデュポンなのかな。交換しようか悩んだが、まずはオリジナルでいってみることにした。スナッピーは、ゼンと全く同じ物だった。これはパールのノーメッキに交換した。

 これって、ジャズ常用スネアのソナーD-454とスペックが近い。スチール、8本ラグ、薄い(1.6mm)フープ。

 では叩いてみましょう。あれー。スペックからして、オープンなカンジを予想していたのだが、かなりデッド。なんつーか、倍音の出方がちょっと変わっていて、音程感が少ない。整数次の倍音が少ないのかな。ヘッドのせいもある気がする。

 てなわけで、ヘッドをレモ・コーテッド・アンバサダーとラディック・スネアサイドに交換。これでまずまずかな。ハイピッチがなかなかいい。

SONOR Force 505 Steel Snare
  (ソナー フォース505 スチール スネア)
 サイズ:   14×5 1/2
 シェル:   スチール
 カラー:   メッキ
 フープ:   スチール トリプルフランジ 1.6mm
 スイッチ:  片側調整
 ヘッド:   打面 レモ・コーテッド・アンバサダー
        裏面 ラディック・スネアサイド
 スナッピー: パール ハイカーボン メッキ無し 20本 内面当たり
 年式:    05〜6年

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Last Update : 2002/12/05