ステーブ・シェルの製法は「桶」と似ており、長方形の板を円形に並べて接着する。この「桶=ステーブ」シェルの詳細については、こちらをご参照下さい。
要するに、こういうことだそうだ。
「キミらは接着材を鳴らしているのかい? プライウッドのシェルを貼りつけるのには、すごい面積の接着剤が使われているんだぜ。そのうえ、板を無理矢理曲げてあるからストレス(応力)がかかってる。ステーブはそんなコトとは無縁だぜ。接着剤もほんのちょっとしか使ってないし。それに、木目を見なよ。力がかかる上下方向に木目が走っているだろ。フツーのプライウッドは木目が横になってるじゃないか。これじゃ、力を支えられないよ。どうだい。ステーブはプライよりも全然いいってことがわかるだろ?」
というわけで、ステーブ・シェルのドラムセットとスネアをいくつか所有しているが、またまた買ってしまった。
前回は、直接Joshua Tree Percussionというメーカーから、シェルを買ってパーツを組み、18インチのキックを作った。パーツって高いんだよね。スネアを作るとなると、シェルよりもパーツの方が高くなってしまったりする。それって、なんとなくサビシイ。
そんなある日、フリー・フローティング用のステーブ・シェルがあることを発見する。このシステムは、パールとグレッチから出ているが、なんの加工も無しにシェルがカンタンに交換できる。なるほど。じゃ、ちょっといってみようかということで、シェルを購入し、ドナー用のフリー・フローティング・スネアをオークションで入手した。
シェルはJoshua Tree Percussion製のサペリのステーブ。サペリって材は、アフリカ産で、マホガニーに近いらしい。ググってみると、タマのスネアで外装の化粧板に使ってるのがあるね。他はアコギのサイドとか。厚さは12.7mm=1/2インチと厚目で、エッジは45度。セミ・グロスの塗装済みで、ちょっとだけキルテッドかな。
ドナーはパールのFS1435ってやつ。スチール胴のピッコロだ。メジャーなのはFB1435っていうブラスの方だけど、フープはプレスの方が好きなのでFSにした。
このフリー・フローティングは、時代によって変遷がある。テンション・ボルトを止める、通常のスネアだとラグに当たる部品は、ポストと呼ばれる。初期はこれが六角柱だったが、現在は円筒だ。これってどうかな。円筒になっちゃったので、事実上ポストを外すのが不可能に近い。かつ、ちゃんとフレームに固定しづらいのだな。来たときにはやっぱり緩んでおり、なんとか締め上げたのだが、固定用のボルトが1/2インチだよ。なんでインチなんだろ。また、フリー・フローティングは他のスネアのほとんどが内面当たりになっているのに、ずっと全面当たりを守っていたのだが、2005年にスイッチがグライド・ロックに変更され、同時に内面当たりになった。こいつは、変更前の全面当たりのものだ。
ではバラシましょう。ポストの固定にちょっとてこずる。金属部品にはクレ・スーパーポリメイト。各部をグリスアップ。エッジにはろうを塗布。ボルトにはナイロンワッシャーを追加。ヘッドはレモのコーテッドアンバサダーとスネアサイドという定番。スナッピーはパールのノーメッキ内面当たりに交換。はいできあがり。
では叩いてみましょう。あー、そうですか。こんなカンジね。
Joshua Tree Percussion Stave Sapele Free Floating Snare
(JTPco ステーブ・サペリ フリー・フローティング・スネア)
サイズ: 14×3.5
シェル: ステーブ・サペリ 12.7mm
カラー: ナチュラル(セミグロス・ラッカー)
フープ: スチール 2.3mm 10テンション
スイッチ: 両側調整
スナッピー: パール 20本 ノーメッキ 内面当たり
ヘッド: レモ・コーテッド・アンバサダー / レモ・スネアサイド
年式: 09年
ピッコロだと、木目があんまり見えないので、ステーブ感が低いね。
昔のフリー・フローティングのポストは六角柱だった。
追記:
手放しました。