タンブーロはイタリアの打楽器メーカーだ。現在は代理店が消滅し、正規では日本に入ってこない。
このオペラ・シリーズはステーブ構造であり、シェルは30枚の板材を接着して作られている。ステーブについてはこちらをご参照下さい。
しかしながら、以前に購入したステーブ・ブビンガやステーブ・バーチとは異なり、シェルを丸く仕上げておらず、なんと30角形になっている。そして、エッジはシェル自体に切ってあるのではなく、ABS樹脂のパーツがシェルに接着され、それがエッジの役割を果たしている。かなり異例な構造だ。
この特異な構造から、以前よりオペラには興味を持っていた。あるときジャズサイズのセットが格安で出ており、あやうく買うところだった。このたび縁あって、スネアを入手することができた。
はい、いらっしゃい。しかし、このカバリングのセンスはなんだろう。イタリアン?
ではバラしましょう。あー。シェルはこんなだよ。ABSのエッジってありかな。エッジのRも大き目だ。
ラグは、樹脂の本体と、鋳造後に切削加工した部品の組み合わせだ。構造が合理的でなく、ムダな加工が多くてコストがかかりそうだし、重い。なお、現在のモデルには違うラグが付いている。スイッチもダネットなので重い。シェルはメイプルで軽量なのだが、パーツ類が重すぎる。さらに、ラグを止めるネジに付随するワッシャーは、汎用品を使ったようで、外径の割に穴径が大きく、センターが出ない。これを、イタリアのクラフトマン・シップで組んでいる。
まあ、ちょっと仕様のバランスが悪いかもね。
はい。パーツを洗浄、スーパーポリメイトでコーティング。シェルはブリス。各部グリスアップ。はい完成。
では叩いてみましょう。多角形と重いパーツから、ヘッドを張らずにひっぱたくと、かなり共振周波数が低いカンジ。なのでデッドかなーと思ったら、そこそこオープンだ。プレスフープが効いてるのかな。それともエッジか。スナッピーのキレも良く、なかなか使えそうなフンイキだ。
現在は、オペラ・クラシックというシリーズで生き残っている。興味ある方は、米国から取り寄せましょう。
Tamburo Opera 3700 Stave Maple Snare
(タンブーロ オペラ ステーブ・メイプル スネア)
サイズ: 14×5.5
シェル: ステーブ・メイプル 30ピース 7.5mm
カラー: ブルー・カバリング
フープ: トリプル・フランジ 10テンション
スイッチ: ダネット
スナッピー: パール ノーメッキ 内面当たり20本
ヘッド: 打面 レモ コーテッド・アンバサダー
裏面 レモ スネアサイド
年式: 99年製