ビーチは、ドラムの素材としてはあまりポピュラーではない。70〜80年代のソナーはビーチ材をメインにしており、フォニックやシグネチャーといったトップモデルに使っていた。しかし時代はメイプルに流れ、いつしかビーチは使われなくなった。
そんな中、ヤマハは97年にビーチカスタムを市場に投入した。その後、01年にはビーチカスタム・アブソリュートへと進化したが、08年に生産中止となった。やはり、ビーチは人気がないようだ。一方ソナーは、07年にSQ2シリーズでビーチを復活させたが、どうなのだろうか。
初代は、神保さんも菅沼さんも使ってたんだけどな。
カスタムシリーズの歴史はこちら。
初代ビーチカスタムは、現行のビーチカスタム・アブソリュートより薄い。スネアだと、ビーチカスタムが6mmでアブソリュートは7.5mmだ。そのためか、けっこう音の印象は違う。スネアもなかなか良かった。このたび、その5半をお手ごろ価格で手に入れることが出来た。
いつものようにバラシだ。お。このラグには問題があるな。ナットとラグの間にナイロンのOリングが入っているのだが、すべて切れてしまって使い物にならなくなっている。スネアでここに樹脂系のインシュレータが入っているのは、初めて見たと思う。YD9000Rなんかもタム類のラグには入っているけど、確かスネアには入ってなかったと記憶している。スネアだとテンションが高いから、かなりの荷重がかかる。たぶん樹脂ものだときついよな。さらに、かなり柔らかいものが使われている。なので、Oリングは排除し、ナット押さえのナイロン製プレートを逆付けして対応した。他の状況はいいかも。また、打面側のフープがパールのマスターキャスト(ダイキャスト)が付いていた。ちょっと悩んだが、表裏とも手持ちのヤマハ・ダイナフープにした。オリジナルは1.6mmのトリプルフランジでダイナフープは2.3mmとちょっと厚い。
シェルのコーティングはブリス、金属部品にはクレ・スーパーポリメイト。スーパーポリメイトは透明なので、メッキ部品にはいいよ。各部グリスアップ。エッジにはろうを塗布。チューニングボルトのワッシャーにはタマの黒プラスチックを追加。スナッピーはカノウプスのメッキで、ひもはパール。ヘッドは初使用のRMV(ブラジル製)にしてみた。ミュートは最近定番のムーンジェル。
では叩いてみましょう。おお。いいね。スナッピーの粒立ちがいい。若干倍音は少なめだけど、まずまず好みなカンジ。こんな値段で十分な戦闘力だ。この薄目のビーチはけっこういいんじゃないかと思ってる。
正直なハナシ、スネアがいっぱいあるのは、コレクション。実戦はこいつとかヤマハのバーチとかと、たとえばパールのセンシトーン・スチールくらいで十分だと思ってる。
さらにセットも手に入れたのだった。
YAMAHA Beech Custom Snare WSD-085
(ヤマハ ビーチカスタム スネア)
サイズ: 14×5 1/2
シェル: ビーチ 6mm 6プライ
カラー: アップル・レッド
フープ: ヤマハ ダイナフープ(スチール2.3mm)
スイッチ: B型 片側調整
ヘッド: 打面 RMV コーテッド
裏面 RMV スネアサイド
スナッピー: カノウプス 20本 内面当たり
年式: 98〜01年
スイッチは伝統のB型