DTX Ver2.0
アパート住まいである。ドラムの練習はできない。それじゃ、へたっぴのままである。これではいかん。
てなわけで、99年の春に引っ越ししてヤマハの電子ドラム、DTXを買ってしまった。新しいアパートの条件は、1階であることとDTXを置く所は隣の部屋から離れていることだ。比較的いい物件を探し当ることができた。間取りは2LDK。楽器部屋になるであろう6畳の壁の向こうは外だ。
現状と異なる点は以下である。
コントローラー:
DTX(Ver2.0)
スネアドラム用パッド:
Roland PD-120
バスドラム用パッド:
KP80×2
特徴は4タムであることと、スネアのパッドがローランドであることだ。スネアは一番使うものであるが、ラバーのパッドは感触が悪いし音がデカイ。そこで、ローランドのV-drumsのパッドにした。これはタッチもいいし音も小さい。ただし、ヤマハとローランドで仕様が違うため、リムショットが使えないのが残念だ。
これで練習ができるぜ、と思ったのは甘かった。
騒音対策
念願のDTXを導入した。しかし、さっそく上階から苦情が来てしまった。不動産屋から連絡があったので、すぐに菓子折を持って謝りにいった。
友人が来たので叩いてもらったが、やはりキックの振動が伝わるようだ。一応ゴム裏カーペットとウレタンフォームを敷いて対策したのだが、いま一歩のようだ。そこでこれは2重防振だろうということで、セット全部をフローティングしたパネルに乗せてしまえと思い材料を探しに行った。
いろいろホームセンターをまわった結果、セキチューでコンパネとやらを切ってもらうことにした。コンパネというとパソコンみたいだが、コンクリート・パネルだそうで、コンクリートを流し込むとき外側に張るパネルのようだ。いわゆるサブロクという3×6フィートのものだ。片側が塗装してあるものもあったが、塗装が片側だけだと必ず反るらしいので無塗装を選んだ。探してみると、あんまり適当な材料がないね。もう少し重い方がいいんだけどなあ。そしてこれをラバーでフローティングするのだが、市販のゴムは高いね。しょうがないので買ったけど。んで、本日は切り口にサンドペーパーをかけたところでおしまい。来週末に本格作業だ。
コンパネの土台をゴムでフローティングする構造をとった。防振ゴムはなぜかトステム・ビバが安いのだが、とはいえ30cm角で1,000円以上もするのだ。これを5cm角に切り、3段に重ねてマウントとし、6点で支持した。支持方法は重心マウントだが、DTXのラックの足位置とペダルの位置を考慮して若干移動した。コンパネにはさらに裏ゴムカーペットを敷き、DTXのラックはウレタン1枚、ペダルはさらにウレタン2枚重ねでフローティングし、ペダルのウレタンは形状変更で低バネ化した。ウレタンの上にも裏ゴムカーペットを敷き安定性を高めた。さらに、質量を増やすために2kgのダンベルを2個、コンパネのフットペダル脇に装着した。
さて、試奏である。うーむ。固体伝播音はおそらく10dB以上低減しているが、キックユニットの放射音が目立つ。要対策だ。なお、2バス対応なので、キックユニットは2つある。
まずは右のキックユニットをばらして、制振材を貼付した。キックユニットの構造はきわめてシンプル。断面はコの字にふたをしただけで、なんの補強もない。鉄板の板厚はコの字が2mmくらいで、ふたが1mmくらいだ。叩くとなかなかいい音がする。外観商品性を重視し、見えない裏側全面に制振材を貼付した。叩いてみるとかなりいい感じである。しかし底面を組んで叩くと、滑りどめ部が鳴いてしまっている。滑りどめ部はマジックテープが貼付してあり、高さが変えられるようにバネとネジで本体に取り付けてあるが、バネで浮いているために音が出る。そこでバネを除去し、ラバーをはさんで本体にきっちりと固定した。もちろん制振材も貼ってある。
さて、ペダルを付けて叩いてみよう。おおお、ばっちりだ。高周波が良く押さえられている。
ということで、左のキックユニットにも施工することにした。さっそくばらしてみると、あれ、センサーからの配線の出方がちょっと違う。配線を止めているテープも、先にやったやつはよくオーディオ機器に使われているやつだが、今度のはただのビニールテープだ。シリアルを見ると、先にやった方が若い。コストダウンだろうか。
作業を終え、試してみると、おおお、音がでかい。なぜかというと、キックペダルが鳴っているのだ。先にやった右はDWのプレート付きなのに対し、左のタマはプレート無し。これが派手に鳴るのだ。プレート付きのペダルが欲しい。
結局一番安いプレート付きのペダル、ヤマハのFP-850を買ってしまった。
これでまずまずの結果となった。
DTXTREME にアップグレード
DTXTREMEというDTXの上位バージョンが出た。スネアパッドとしてヘッドを張ったやつが出た。今のはローランドだけど、リムショットが使えないしこいつに変えたいな。キックパッドもヘッドを張ったやつだ。今は左右別々でペダルもシングルが2個だけど、通常はツインペダルを使うので、それが使える新しいのにしたいな。とはいえ、たかーいのである。。。
02年6月のある日のことである。大学時代の友人と飯食って、泊まって、帰りにハンズに行って「Phiten」っていう、サッカーの小野もしている血流を良くするというネックレスを買ったけどね。これ、効いてるのかな? で、そのあと楽器屋をうろうろした。ほかに行くとこないんかい。
秋葉原のリボレ(イケベ楽器)に行った。と、ワンデイバーゲンなんてのをやっているではないか。ダダリオの弦が350円。いろいろあるねー。でももうムダヅカイはしないもんね。
しかーし、禁断の地、地下のドラム売場へと行かずにはいられなかった。地獄への階段を下りていくと、段ボールが積み上げてあり「SALE」と書かれた紙っぺらが貼ってある。そこに転がっていたのがDTXTREMEのキックパッドであった。
・スネアパッド RHP120SD
・リアルヘッドキックパッド KP120
・トリガーモジュール DTXTJ
おおお、これこそは私が求めていたもの。さらにはスネアパッドと音源も。しかーし、精神修養を重ねた私は、そんなことには負けずに・・・とりあえず中をのぞこうかな。
で、結局店員さんとお話しするのだった。聞くと、「アップグレード・セット」というものがあるんだそうだ。旧DTXからの乗り換えを狙って、キックパッドとスネアパッドに加えてDTXTREMEの音源をセットにしたものだそうだ。んで、お値段がなかなか手頃。んで、定番の「このお値段は今日だけです」のお言葉。んで、ボーナスがまもなく出ると。
カードを出しちゃいました。
さて、まずはキックパッドのセッティングだ。足が前のやつと違うので、フローティングを変えなきゃなんない。しこしことウレタンを切って作るのだった。はい完成。ペダルはDWのツインをセット。あ、シャフトがラックに当たるな。よしよし。続いてスネアパッド。これは簡単。さらに音源をセット。
では叩いてみましょう。あらー。スネアパッドの音がむちゃでかい。すげーでかい。ローランドの100倍でかい。アタック音がぺしぺし出てしまう。どうしよう。ローランドのはヘッドがメッシュで、ちょっとタッチが柔らかくてホンモノと違うんだけど、消音は抜群だ。しかしヤマハはヘッドがフツーで裏側にウレタンを仕込むというタイプ。タッチはホンモノに近いんだけど、アタックがでかく、さらにリムショットの音がでかい。試奏すりゃいいのにしないからこんなことになるんだ。
さらにキックパッドのアタックもでかい。でも、タッチはかなりよくなってるし、ツインペダルが使えるメリットは大きい。
で、カタログを見ると専用の消音ラバーパッドなんてのがある。お値段はスネア用が2,000円、キック用はなんと4,800円。高すぎるよ。
プレイヤー誌を見ているとKEYという楽器屋の広告が目に留まった。おお、DTXTREMEが出てるな。なに、40%オフ? ワンデイバーゲンとあんまり変わらないぢゃん。(T_T) と、そのなかに「メッシュヘッドプレゼント」とある。パールが出したリズムトラベラーという練習用のセットがあって、そいつには消音用のメッシュのヘッドが張ってある。そいつを付けるというのだ。ちなみに、ローランドのパッドのヘッドもメッシュ。タッチがちょっと柔らかいんだけどね。
そうか、そういう手があるのか、ということでGELMに行って発注した。これだとスネア用、キック用とも同じで800円とお手頃だ。
ブツが来たので交換だ。外してみたら、ヘッドはフツーのコーテッドだった。これは、おおむかしのサイレンサー・ドラムと発想がいっしょだ。
ヤマハとローランドではセンサーが違う。ヤマハは面になってるけど、ローランドはへーんな山がセンサーになってる。よってヤマハは一面にウレタンパッドが入っているが、ローランドは入ってない。ヤマハのウレタンだが、スネアのは黄色くて、キックのはあなぼこだらけのが2枚重ねてある。
はい装着完了。叩いてみましょう。あらー、キックはけっこういいのだがスネアがだめ。リムショットの音が相変わらずでかい。で、ローランドと比較すると、リムに巻いてあるゴムが薄いのだ。また、ローランドのはゴムが接着してあるが、ヤマハは簡単に外れる。カタログを読むと、そのゴムやらなんやらは消耗品として交換できるとある。でもさ、性能が低くてはしょうがないではないの。
で、どうしたかというと、ローランドのリムをヤマハに付けちゃいました。これでOKだ。ちゃんとリムショットもいけるしね。
ノウハウ:
1)ヘッドはパールのメッシュ
2)スネアのリムはローランド
音源
DTXTREMEの音源はなかなか音が良くなっている。ローランドのV-Drumsとの比較で散々に言われたもんね。スネアも胴やスナッピーの種類が選べるなど、凝っている。でも、V-Drumsの方がグラフィカルでわかりやすい。DTXTREMEの表示はイマイチだ。表示内容が少なすぎる。だってディスプレイがたった2行。コストダウンだろうが、こういうユーザー・インターフェースは重要なんだよな。
練習に使うセットを作ってみた。既存のセットを編集するのが楽だ。「BEECH」というビーチ・カスタムをサンプリングしたセットをベースに使った。スネアはビーチの6半を基本にエディット。タム類もビーチだが、サイズが10,12,14,16,18で8が無い。2タム2フロアユーザーが多いんだろうが、私は3タム1フロアだ。10,10,12,16として、最初の10のピッチを高めに、12を低めに設定した。キックは騒音対策で、アタックが出て低音が出ないものにした。全体に、他のセットとの互換性を保つため、細かい部分はあんまりいじらないことにした。トリガーのパラメータも、本体はなるべくいじらずに、パッドの出力を微調整するにとどめた。もちろんリバーブはOFF。
DTXシリーズはGM音源を内蔵している。また、ソングと呼ばれるシーケンサー部もあるので、こいつだけでMIDIの再生が可能である。
DTX Ver.2 のソングに入っている名曲「City Gate」がDTXTREMEには入っていない。なので、移植することにした。MIDIケーブルをつないでレコーディングするだけ、と思っていた。しかーし、そうは簡単に行かないのだった。DTXは曲がスタートする前にプログラム/コントロール・チェンジを送るのな。よって、スタートをシンクロさせると音源がちゃんと設定されない。なので、DTXTREMEを2小節先に走らせてレコーディング。そうすると、ドラムのプログラム/コントロール・チェンジが入ってるから、ドラムセットが変わっちゃうし、リバーブがぎんぎんになっちゃう。なので、MIDIの設定で10ch(ドラムのチャンネル)のプログラム/コントロール・チェンジを受けないようにした。ところが、コントロール・チェンジを受けないようにすると、なぜかメトロノームの裏拍が出なくなるのよ。これを発見するのにすげー時間を食ってしまった。変拍子の曲を練習するので、裏拍がないと困るのだ。なので、ステップ・レコーディングに入って、10chのプログラム/コントロール・チェンジのデータを消してやっと完成。ふう。こりゃー、フツーのヒトは使えないよ。マニュアルもこれじゃわからないだろうな。だいたい、メトロノームとコントロールチェンジとなんの関係があるっての。
で、2曲目の「Feel the Nite」を移植しようとしたら、メモリーが足りなかった。おいおい。1曲しか入らないのかよ。スマートメディアが使えるとはいえ、ユーザーエリアが少なすぎるだろう。
ヤマハの責任者出てこいっっっっっっ! ってここで言っても意味無いな。
エリミネーター
DWのツインペダルをDTXに使っているのだが、スタジオでのリハのたびに脱着するのがめんどうだ。でも、もう1セット買うのはちょっとなー。
DTT東京のセッションに向かう途中、友人から電話があった。車中だったので駅に着いてからかけ直すと、ツインペダルの情報だった。宇都宮バックビートにパールのものが安く出ているということであった。早速翌日に行って来た。
モノはパールの現行ばりばり機であるP-2002C「エリミネータ」だった。エリミネータにはチェーンドライブとベルトドライブがあるが、チェーンの方だ。残念ながら、付属品のホイールは欠品だ。こいつは形状の違うホイールが4種類(4色)あって、踏み心地を変えることが出来る。付いていたのは一番標準的な真円の黒だ。どうせ、自分は黒を選ぶのだからOKさ。で、結構きれい。さらに、タマのツインペダルケースが付いている。こりゃ買いだ。さらに横にはシンバルが積んであり。。。。。2枚買ってしまった。
では、使ってみましょう。とりあえず拭いて、グリスアップ。続いて横にDWを置き、これにバネの強さやペダルの角度をあわせると。こんなもんかな。パールの弱点は、かかとのヒンジだと言われている。DWはベアリング、アイアンコブラは自己潤滑のブッシュなのだが、パール・ヤマハは棒にささってるだけ。でも、フリクションは小さい。ペダルを離すと、パールの方がずっと動いてる。また、DWはいまだにギア付きのスプロケットを使っているが、国産はみんなギアレスになっている。それもあってノイズが小さい。DWはどうしてもラッシュ音が出る。やるな、パール。
ではDTXに取り付けてと。おおお。なかなかスムーズ。DWよりいいかも。
もうDWじゃなくてもいいな。アイアンコブラも新型は良かったし。