ヤマハYD-9000Rシリーズのスネアだ。9000Rは、現在レコーディング・カスタムと称しており、バーチ材中厚のシェルを特徴としている。デビューは70年代後半で、ま、いわば旧世代のスペック。バーチ・カスタム、バーチ・カスタム・アブソリュート、アブソルートとバーチ胴のシリーズが変遷しているのに、残っているのは奇跡に近い。メイプル・カスタムも消滅してしまったのにね。
色もシェルも自分のセットとおそろいなので、ついつい買ってしまった。
このSD-955RC、スペックは旧世代で、全面当たりのスナッピー、ごついスイッチ、パワーフープという商品名が付いた厚めのアルミ・プレスのフープ、中厚のバーチシェルが特徴である。
さて全バラして磨きましょう。電動ドリルを買ったので、ねじ回しがらくちんらくちん。愛用のTAMAのプラスチックワッシャーはもちろん投入。スナッピーもTAMAのものにしたのだが、テープ幅が広くてガイドに合わないのでちょっと切ってしまった。スイッチのグリスが劣化しまくりだ。スナッピーを内面当たりに換えるというてもあるが、こいつはそのまま全面でいくことにした。というのも、ビリー・コブハム・シグネーチャーが全面で、ビリー教信者である菅沼孝三さんのシグネーチャーも全面になるからである。ああ、ミーハー。ヘッドは定番のレモ・コーテッドとラディックのスネアサイドだ。はい完成。
さあ、叩いてみましょう。全面あたりのスナッピーは、スイッチでテンションを変え、当たりはガイドで調節する。この当たりの設定がシビア。一般に下げると全面っぽくなり、上げるとミュートされて内面っぽくなる。でも、一番下でもあまり全面っぽくない。いろいろ試した末、一番下にセットした。しかし、過去に使った全面ほど全面っぽくない。いわゆるぱりぱりした感じがそれほどは無い。うーむ。ガイドの設計が今ひとつなのか意図してあるのか。おそらく、音を聞いたら全面だと思わないのでは。チューニングはやや低めが合っている感じで、高いと倍音の塩梅がいまひとつ。しかし、チューニングのシビアさが無いね。また、パワーはそこそこで、以前に叩いたSD-970Aほどのデッドさは無い。良く言えば暖かい感じ。誰でもそこそこ鳴らせると思う。
この状態で使っていたが、ちょっと物足りない。そこで、ちょっと手を入れてみた。
やったのは以下だ。
1)スナッピーを全面当たりから内面当たりに変更
2)リムをパワーフープからダイナフープに変更
スナッピーはカノウプスのメッキタイプとした。フープは、厚めのアルミ製であるパワーフープから、ダイナフープという商品名が付いた、厚めのスチールプレスのものに交換した。このダイナフープは、ヤマハがアブソリュートシリーズを出すに当たり、新たに開発したものだ。それまでは厚いスチールのが無かったんだよね。
さあ、叩いてみましょう。全体の印象はさほど変わらないが、以前より締まった感じになった。スナッピーもぱきんとしたところが無くなり、反応は好みだ。もう少しスナッピー感が欲しいかなとは思うけど、まあ、なかなかいいのではないかな。
派手さがなく、国産のセットに合ってるかも。
YAMAHA YD-9000R Snare SD-955RC
(ヤマハ YD-9000R)
サイズ: 14×5.5
シェル: バーチ 7プライ
カラー: チェリーウッド
フープ: スチール・プレス 2.3mm 10テンション
スイッチ: 両側調整
スナッピー: カノウプス 20本 メッキ 内面当たり
ヘッド: 打面 レモ・コーテッド・アンバサダー
裏面 ラディック・スネアサイド・フラットタイプ
年式: 80年代前半