ドラム

YAMAHA Recording Custom Birch Set

 レコーディングカスタムは、ヤマハの元フラッグシップだ。ヤマハの歴史はこちら。79年にYD9000Rとして発売され、85年にレコーディング・カスタムと名前を変え、2013年に生産中止されるまで30年以上も生き延びた。他のラインはころころモデルチェンジされたのにね。国産のドラムとしては、かなり珍しい例といえる。

 実は、大学時代にYD-9000を購入したのだが、いつの間にかレコーディングカスタムにグレードアップされた。なぜ、ヤマハを選んだかというと、大学時代のアイドルである、スティーブ・ガッドや神保彰さんがヤマハだったから、だと思われる。なお、色もチック・コリア・エレクトリックバンド初期のデイブ・ウェックルと同じだ。

 胴はバーチだ。最近はメイプルが主流だが、発売当時のヤマハはバーチが最上級モデルだった。バーチは日本でいうカバで、北海道で採れるため国内調達が可能だ。ちなみに、メイプルだと北米産になってしまう。メイプルよりも柔らかく、減衰が早く太めの音が特徴である。メイプルが「トーン」ならバーチは「ドン」だ。

 過去には18,24,26のキックなど、いろいろ持っていたこともあるが、現在は22のキックが1個、タムが4個、フロアタムが2個となった。これらを組み合わせて使うわけだ。通常、フュージョンだと、8,10,12のタム、14のフロアタムを選ぶ。ポップスやロックだと、8のタムがなくなる。場合によってはタムが12,13になって、フロアが16になる。まあ、これらでジャズ以外のジャンルはおおむねカバーできるだろう。

 タムはすべて浅胴だ。最近はまた浅胴のヒトが多いよね。

 タム、フロアタムのヘッドはカノウプスのコーテッドだ。こいつは、レモのコーテッドと基本的に一緒だそうだが、ばらつきが少ないらしい。はっきり言って、差はわからない。

 タム類の音はとてもいい。かなり気に入っている。しかし、キックはもうひとつなんだよね。ちょっと柔らかくアタックが弱い。レコーディングカスタムの弱点だ。キックだけはメイプルの方がいい。ガッドも現在はキックだけメイプルにしている。友人にも、キックだけロック・ツアー・カスタムにしているヒトがいる。こっちはフェノリックがはさまっていて、硬めの音がする。キックだけはメイプル・カスタム・アブソリュートにしたいなあと思っていたが、ほとんど使う機会もなく、そうこうするうちにアブソリュートもなくなってしまった。

 SIAトリオのライブで使って以来、まったく外に出ていない。ってことは、もう10年も使ってないってことだ。次に音を出すのはいつだろう。

YAMAHA Recording Custom(レコーディング・カスタム)
 シェル: バーチ 6プライ(タム) 7プライ(キック)
 カラー: チェリー・ウッド(ラッカー塗装)
 ラグ:  ハイテンション・ラグ
 リム:  スチール・プレス トリプルフランジ 1.6mm
 サイズ:
   キック   22×14
   タム    8×8 10×8 12×8 13×9
   フロアタム 14×14 16×16
 ヘッド:
  タム    レモ・コーテッド・アンバサダー / レモ・クリア・アンバサダー
  キック   エバンス EQ3 / エバンス レゾナント・アンビエント

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Last Update : 2003/06/21