ヤマハのメイプルカスタム・ビンテージは消滅してしまった。もともとは、先にデビューした「メイプルカスタム」にクラリネットなどに使われているという合成樹脂塗装を施し、クラシック色を強く打ち出したのが「メイプルカスタム・ビンテージ」であった。カラーはビンテージナチュラルのみで、価格はノーマルの「メイプルカスタム」より高く設定されていた。しかし、メイプルカスタム両シリーズの人気はいまひとつであったようだ。価格設定が高く、時は薄胴ブームでパールのクラシックメイプル(厚さ5mm+レインフォース)、タマのスタークラシック(厚さ5mm、レインフォースは有無が選べる)が人気で、中厚のメイプルカスタム(7mm)は苦戦を強いられた。ヤマハはメイプルカスタム・アブソリュート(6mm)で応戦し、メイプルカスタムは大幅にカラーバリエーションを減らされ、価格を引き下げ、ビンテージはメイプルカスタムのカラーバリエーションのひとつに格下げとなり、価格もメイプルカスタムと同一となった。
スネアだけは仕様差もあり、ビンテージの方がやや高い価格設定のまま残っている。しかし、メイプルカスタムのスネアの価格設定は高すぎる。ビンテージの4インチがジャスト7万で、他も6、7万台なのだ。パール、タマのクラシックはが4、5万台なのにである。そのため、メイプルカスタム・アブソリュートは4万台に下げてきた。コストはメイプルカスタムとほぼ一緒だと思われるのに。価格戦略って難しいね。
やってきたのは4インチ。これは大坂昌彦さん、そうる透さんなど多くの人が使っていた。第一印象は軽いである。リムがアルミのダイキャストなのだが、このリムは消えゆく運命なのかな。ヤマハの高級機種は以前はすべてアルミ(ダイキャストフープとパワーフープ)だったが、アブソリュート系は最近開発された厚い鉄プレスのダイナ・フープだし、他社で主力の亜鉛ダイキャストもデヴィッド・ガリバルディ・モデルに採用されている。
てなわけで、消えゆくモデルかなあ。
と、書いたのが00年。しぶとくカタログに残っているし、アルミのフープも、アブソリュート・ヌーヴォーでは全適だ。わかんないもんだ。
手放したけど、ちょっと未練がある。
YAMAHA Maple Custom Vintage MSD-0114 (ヤマハ メイプルカスタム・ビンテージ)
サイズ: 14×4
胴: メイプル7プライ(7mm)
カラー: ビンテージ・ナチュラル(合成樹脂塗装)
フープ: アルミ・ダイキャスト
スイッチ: 両側調整
スナッピー: ステンレス20本
ヘッド: レモ・ルネッサンス・アンバサダー & 同スネアサイド