グレッグ・ハッチンソンに、オールドKを買ってみてはと勧められた。
オールドKってのは、その昔イスタンブールにあったKジルジャンで作られたシンバルだ。(シンバルの歴史はこちらを参照) しかし、古ければ古いほどいいってもんじゃないみたいね。ジャズがはやってきたのが戦後だ。Aジルジャンがそこに目を付けて、薄いシンバルを作って売り上げを伸ばした。それを見たKジルジャンが薄いシンバルを作り始めたのが50年くらいから。それから技術を向上させたようで、60年代から77年にトルコKが消滅するまでのものがいいらしい。50年代のはバラツキがはげしいんだって。でも、「インチ1万」ってくらいで、20インチだと20まんえんくらいするのな。扱っているショップもカノウプスくらいしか無いし、日本での入手はなかなかキビシイ。やはり、クローンを狙うしかないのか。
某ショップの今は無きBBSで、オールドKに似ているとされていたのが、以下の5枚だ。
・Zildjian Constantinople Light Ride 22
・Istanbul Agop Mel Lewis Ride 21
・Bosphorus Master Ride 22
・Bosphorus Hammer Ride 22
・Paiste Traditional Light Ride 22
これは03年くらいの記事なので、多少時代の変遷がある。
ジルジャン・コンスタンチノープルのラインナップは、かなり変更されており、現在ライトは消滅している。98年のコンスタンチノープル発売時には、ライドはライト(ミディアム・シン)とビッグバンド(ミディアム)しか無かった。けっこう売れたみたいで、どんどん種類が増えていった。現在は厚さ別に、ミディアム、ミディアム・シン、シン、とあり、それぞれのピッチでハイとローがある。これだけで6種類。さらにベルの形状が違うハイベルってやつが、やっぱり厚さ別にあるし、フラット・ライドも追加された。さらに、バウンスやらルネッサンスやらオーバーハンマードやら、いろいろ増えた。
ライトは現在で言うと、ミディアム・シン・ハイかミディアム・シン・ローに当たることになる。ああ、ややこしい。
リストにあるメル・ルイスの21 は、以前にメインで使っていたライドだ。素直な中にもちょっとクセがあって、なかなかいい。イスタンブールだと、スペシャル・エディションなんてのがオールドKタイプとしてラインナップに加えられた。こっちは、かなーりダークというかトラッシーというかな個性派だ。
ボスフォラスのマスターライド22も持っていたことがある。ハンマーライドも20を持っていた。これらはかなーり薄くて、デリケート。
パイステ・トラディショナルは、22のライトと20のフラットを持っている。トラディショナル・シリーズは、日本では正規で売ってないようだ。日本のHPに載ってない。これはボスフォラスのマスターライドに近い。
もうひとつのメジャーブランド、セイビアンだと、ボールト(VAULT)ってのが出てる。
オールドKクローンはこのあたりか。
なんてことを考えて(考えてないけど)歩いていると、棒に当たる。某大手楽器店で見つけたのがこいつだ。現在は絶版のライト。中古で、そこそこ年季が入っている。とりあえず試奏。うーん。うーん。うーん。下さい。
厚さはミディアム・シン。ピッチは低め。若干のクセはあるが、キレイ系だ。おとなしくて、まとめやすく、下手に叩いてもそこそこいけると思う。オススメできるシンバルだ。ただし、ピッチはもう少し高くてもいいかな。また、レガートのテクニックを磨くなら、ほかの暴れるクローンの方がいいかもね。
なお、ブライアン・ブレイドが使っているということで、ちょっぴり中古のお値段も高い。
Zildjian K Constantinople Light Ride 22
(ジルジャン コンスタンチノープル・ライト・ライド)
サイズ: 22インチ
厚さ: ミディアム・シン (Medium Thin)
仕上げ: ハンド風マシン・ハンマリング
レイシングは密度が低い
重量: 2.5kg
年代: 99年製