やすもの海外通販シリーズ その1
その昔、スリンガーランドは名門ブランドであった。特にジャズ界ではグレッチと双璧をなし、バディ・リッチやらジーン・クルーパーやらが愛用していた。また、銘記「ラジオキング」スネアは、発表された1930年代としては画期的なメイプル単板シェルを採用しており、現在でも人気を保っている。
しかしながら、94年にギブソンに買収され、最近はあわれな老後を過ごしている。日本に代理店はなく、ラジオキングはまだ米国で生産されているものの、台湾製の安ものキットが主力のようだ。
サウンドキング・スネアは、主力のメタルスネアだ。ジーン・クルーパーも使っていたらしい。グレッチでいうとG4160に相当する。クロムメッキが施されたブラスシェルを採用して「いた」。このへんもグレッチと同じだ。フープも同様に「Chrome Plated Brass」だ。
しかーし、現在のサウンドキングはただのスチールだ。見かけ倒しね。生産も台湾。値段はなんと$99。某米国楽器店のネットショップで購入したのだが、送料(Fedex)を入れてもたったの$153であった。スリンガーランドって、もう終わったブランドなのね。ああ悲しい。
いつものようにバラシて、増し締め、グリスアップ、磨きが行われた。シェルは溶接でつなぐタイプなのだが、合わせのところのフランジの長さが違う。ひどいな。フープはちゃんとスリンガーランド独自の形状になってるね。ステッィック・セイバーというやつだ。ラグもデザインは昔と一緒。スイッチも見かけはズーマチックってやつと一緒。しかし動きが渋いね。グリスグリス。スナッピーは作りがわるいので、パールのノーメッキに交換。ヘッドはレモということになっているが、コーテッドの粒が粗い。エバンスみたい。はい、完了。全体に作りは荒い。
では叩いてみましょう。うーみゅ。わりといいぢゃん。「キン」という残響がちょっと気になるけど、ミュートし過ぎると落ち着き過ぎちゃう。スナッピーの反応もまずまずだが、小ストロークの食いつきがいまひとつか。下手なのがばれる。
てなわけで、新品16,000円のスネアでも、そこそこいける。というか、ワタクシの要求水準が低いかな。
Slingerland Sound King(スリンガーランド サウンドキング)
サイズ: 14×5.5
シェル: スチール 1.2mm
カラー: クロムメッキ
フープ: スチール・プレス 2.3mm 10ラグ(スティック・セイバー・フープ)
スイッチ: ズーマチック 片側調整
スナッピー: パール ハイカーボン 20本 メッキ無し 内面当たり
ヘッド: 打面 レモ コーテッド・アンバサダー
裏面 レモ スネアサイド
年式: 04〜5年
Shells
1.2mm Chrome Plated Steel
Hardware
Slingerland traditional low-mass lugs
2.3mm Slingerland Stick Saver hoops
Slingerland Zoomatic throw off
追記:
売却されました。