友人のTOKU氏による、BOSS スーパー・オーバードライブ SD-1の改造記を掲載する。
SD-1は大学時代に使っていた。かなりのロングセラーだ。
ではTOKUさん、よろしくお願いします。
1) トゥルーバイパス化
たまたま手に取ったプッシュスイッチから全ては始まった。
ラジオとかオーディオで何かを切り替えるための手押しスイッチだ。ストロークが足踏み式の約半分、うまくいけばBOSSのケースに収まるかもしれない。早速、壊れて鳴らないOC-2をバラしてこのスイッチを組んでみるとバッチリ収まることが判明したのでSD-1をトゥルーバイパス化することに決定。日本開閉器工業(NKK)MB-2085L/B というスイッチを使用した。
一部のパーツはミレニアムバイパスでLEDを光らせるために残し、ほとんどの電子スイッチ回路を除去してスルーバイパス化してやった。
BOSS特有の「電気臭さ」がなくなったのは良いのだが、合わせてパワー感やエコー感のような部分がなくなりサッパリした印象を受ける。これは電子スイッチ回路に洩れ通ってた音信号がなくなったためだろう。そういや、TS9でスイッチ回路のFETをバージョンアップさせてパワー感上げたっけか。ということで失った部分を取り戻すため抵抗の定数やバッファーのトランジスタを替えてみたところ、パンチ感や空気感、厚みや太さが出たものの、OD-1のベクトルから若干方向がズレてしまった。どっちかというとTSの方向に。苦笑
また、踏み板を踏む位置で誤作動を起こす。これは踏み板がビミョーに変形し、スイッチをちゃんと押せないからのようだ。誰でもちゃんと切り替えできるようにするにはコンマ数ミリレベルでスイッチの位置を調整せねばなるまい。
商品化まではまだまだ遠いな。(って、商売する気かい!)
2) 耐久性向上
ハンドスイッチのNKK MB-2085L/Bでは長期の脚力に耐えられるか不安なので似たサイズのフットスイッチを探してみた。
ちなみにMB-2085のキャップなし寸法は以下で、トータル34.5mmである。
NKK MB-2085L/B
首:5.0mm(ストローク4.0mm)
ネジ:12.0mm
胴:13.0mm
端子:4.5mm
トータル34.5mm
近いのが二件見つかった。というか二件が無料で資料公開していた。(ケチなのはアルファ社。笑)
フジソク 8Y2011
首:7.0mm(ストローク3.5mm)
ネジ:12.0mm
胴:11.7mm
端子:3.8mm
トータル34.5mm
Alcoswitch MPG206
首:7.0mm(ストローク3.51mm)
ネジ:12.0mm
胴:11.68mm
端子:3.99mm
トータル34.67mm≒34.7mm
フジソクとアルコのほうがストロークが短かい。踏み位置での誤作動がないかもしれない。早速注文だ。ということで入荷。寸法をチェック。左が当初組んでたNKK MB-2085 L/B、右が今回組むフジソク8Y2011。
はい、問題なく組めましたとさ。なんで、今までどこのショップや工房がやらなかったのか不思議だ。。。
3) 音量アップ
クリーンブースト時の音量アップを色々模索していたが、やっと出来上がった。
赤丸R7(10kΩ)を4.7kΩに、青丸R10(4.7kΩ)を1kΩに落とせばオリジナル比推定三割り増しの音量になる。
SD-1モディファイはこれにて終了。かな。。。笑
4) TS9のゲイン考察
「なぜTS9は良く似た回路なのに音量に余裕があるんだっけ?」から始まり、図面とにらめっこしてゲインをチョークしている当該部品を探り当てたんですよ。
TS9の当該部品は両方1kΩと、かなりスルーに近い状態であるからレベルに余裕があるんですねぇ。その分、マックスで発信しにくいようドライブポットがSD-1より絞った値にしてあります。
ということは、TS9で「クリーンにもう一発勢いが欲しい!」ってときは1kΩを二個探し出して、そこを短絡とか1/10まで絞った値(100Ω)にすると良いかもです。(レベル直前と、ダイオード-タンタル間に一個ずつ)