弦楽器

Epiphone Japan ES-335

 ジャズドラムをやっている。ギターは多少弾ける。しかしジャズギターは全く弾けない。ここに大きなコンプレックスがある。何度かジャズギターを志したことはあるが、いつもあっさりくじけている。今のところ、ジャズギターは憧れの存在なのである。そのため、教則本と教則ビデオ(CD)はけっこう持っている。今でもジャズライフのギター系別冊は、なんとなく買ってしまうのだな。

 こんなギターを持っていたが、全く弾かないので売り払ってしまった。しかし、ジャズでも様になるギターが欲しい。弾けないのにね。そこでなんとなく思いついたのが、セミアコ購入計画だ。

 候補はES-335か、それっぽいもの。ヤマハのSAとか。以前、ジャズな先輩から、ジャズを志すということでSA-1000を借りていたことがある。なお、その時も挫折しているのは言うまでもない。

 とはいえ、セミアコって音はあんまり箱っぽくないよね。けっこうトレブリーだし。ルックスがちょっとジャズかなってくらいで。実際、335のジャズギタリストって、ほとんどいないもんね。アダム・ロジャース、カート・ローゼンウィンケル、小沼ようすけさん、昔の布川俊樹さん、思いつくのはそのくらい。

 それでもセミアコを買うのがワタクシなのだ。

 中古の日本製ってことで探すこと数週間、引っかかったのがこれだ。

 エピフォンは1957年にギブソンに買収されて以来、わけわからないブランド人生を歩んでいる。当初はギブソンのライバル的な位置付けだったが、だんだんと廉価方向に向き、日本製中級ブランドとなり、現在は韓国製の初級者向けブランドとなってしまった。

 80年代から90年代にはオービルっていうギブソン傘下のブランドがあった。レスポールやES-335などのギブソンギターのコピーを展開する、日本製の中級ブランドだった。フェンダー・ジャパンに対抗する位置付けだったようだ。その後オービルの役割を、それまではオリジナルギターを展開していたエピフォンブランドが引き継ぐことになった。なんででしょうね。当初はギブソンギターの中級コピーで、日本製がメインだったが、現在はオール韓国製の初級ブランドだ。

 てなわけで、こいつは90年代から00年代にかけて存在していた、日本製エピフォンのものだ。トラスロッド・カバーには、ギブソンの文字が入っている。作っていたのは寺田楽器らしい。現行エピフォンのヘッド形状はエピフォン風だが、この時期はギブソン風だ。

 ネックはマホガニーワンピースで、ボリュート無し。ペグはゴトーと思われるロトマチック。ブリッジは、ダイレクトスタッドで、ABR-1の脱落防止ワイヤー付き。ピックアップはなんだろね。ピックガードはショート。ノブは黒のトップハット。チェリーレッドのドットポジションってことで、リトナー仕様だ。

 さて、ばらしましょう。セミアコだと電気系をやるとめんどうなので、そのまま。磨きと各部調整のみだ。お、ピックアップを外すと、ネックがディープジョイントだね。ま、どうでもいいけど、マニアがこだわる部分だ。若干コンパウンドをかける。今回のコーティングは、クリスタルガード・プロだ。メッキ部にはクレスーパーポリメイト。はいできあがり。

 弦はなぜかその辺に転がっていた、フェンダーの010-046。オクターブ、弦高、ネック調整をば。ネックの状態はまずまずね。しかしながら、ブリッジの駒の溝切りがイマイチ。駒だけ変えたい気分だ。あ、グラフテックのがあったよな。どこいったっけ。最後にピックアップ高を調整して、はい、完了。

 では弾いてみましょう。ジャズは弾けないので、まずはルーム335。高校3年の文化祭の時、白のストラトで弾いた曲だ。当時、ソロはコピーで弾くのが当然だと思っていた。シンコーの「ラリー・カールトン奏法」のタブ譜で覚え、プレイヤー誌に連載されていた、北島健二の完コピ講座で修正したんだよな。それを思い出し思い出し、断片的に弾く。なお、会社の同僚に北島健二と高校で同級生だったヤツがいる。テーマが結構難しいんだよね。ハンマリング+プリング、スライドして1弦開放。このニュアンスが出にくい。アマチュアのコピーはだいたいダメダメだし、ラリー本人だってライブではイマイチだったりする、あー、チョーキングがキツイ。これってミディアム・スケールだよね。そうそう、1stソロの終盤で1弦22フレットを使うんだよね。これがストラトだと、チョーキングになっちゃうんだよな。続いて、これまた文化祭でやったリオ・サンバ。さすがにあんまり覚えてないね。続いて、リトナー版のキャプテン・カリブ。懐かしの「ちゃからとーん」。これは当時はやった、3連ブラッシングの後に6弦をグリスダウンする技だ。最近、やっているヒトを見たことないね。って、なんか懐かしネタになってきた。

 で、肝心の音だが、好きじゃないな。この中域の盛り上がりが好みでない。んで、全然箱っぽくないよね。また、買っておいてなんだが、ジャズをやるのに335である必要は無い。音としては、現有のテレキャスでも十分だろう。fホールが免罪符になるのかどうか。

 ということで、フルアコに買い換えてしまった。。。

Epihpne Japan ES-335 (エピフォン・ジャパン)
 ボディ:     メイプル ホロー構造
 センターブロック:メイプル
 ネック:     マホガニー1P ローズ指板
 ペグ:      ロトマチック
 ブリッジ:    ABR-1
 コントロール:  2V、2T
 カラー:     チェリーレッド
 製造年:     不明

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Last Update : 2006/08/11