弦楽器

Orville by Gibson Les Paul Custom

 スタンダードをヤフオクで探しているときに、引っかかったのがこいつだ。画像が不鮮明で説明が悪い。さらに、塗装にはクラックが入ってる。こういうのはねらい目だ。モノは「Orville by Gibson」のカスタム。ついつい買ってしまった。

 80年代初頭、日本のエレキギター市場において、ストラトやレスポールの完コピブームが起きた。火を付けたのはTokaiだ。本家ギブソン、フェンダーの品質は地に落ちていた頃なので、かなり売れたようだ。この高品質な日本製コピーモデルに頭を悩ませたギブソン、フェンダーは、意匠権を発効させて日本製ギターのコピー度を低下させた。さらに両社は、日本メーカーに完コピ品をOEMで供給させ、「Fender Japan」「Orville by Gibson」のブランドで販売を始めた。これが88年のオービルの誕生である。ギブソンはブランドイメージの低下を避けるために「Gibson」ブランドを使わなかった。その後、オービルには「by Gibson」の付かない廉価品も出現し、さらには韓国製もラインに加わった。そして、廉価ブランドは韓国生産の「Epiphone」に統一され、「Orville」ブランドは消滅した。

 ギブソン・ジャパンとも言えるオービルだが、「by Gibson」って付くヤツは高級グレードで、ギブソンのピックアップが使ってある。また、フジゲン製ということで作りも良く、ネックもディープ・ジョイントだ。当時10万以上したそうで、評判もいいらしく中古のお値段も結構高い。

 はいはい来ました。88年製なのでオービルとしては超初期だ。68年タイプのメイプルトップだね、ってのは来るまでわかんなかったのな。ピックアップを外し、トップを確認して判明した。でも指板は68年のエボニーに対してローズ。けちったな。バインディングもフレットにかぶらないタイプ。パーツの作りもコピー度が低い。ブリッジのスタッドは太くてアンカーが入ってるし、ブリッジ自体もABR-1もどきでコマが外れない。なんでこんなのなんだろう。あんまりコピー度が高いとまずいってことかな。確かに、この方が使い勝手や生産性はいいんだろうけどね。

 でも、パーツのゴールドメッキはほどよく落ちてていいカンジだ。

 変更したのは以下。

1)背の高いピックアップ・エスカッション(国産)
2)黒のトップハットノブ
3)黒のトグルスイッチ

 たったこんだけ。まさかこいつにヒスコレ純正の部品を使わないよね。ノブは68年だとソンブレロだけど、58年風のトップハットにした。しかし、カスタムのトグルスイッチのノブって、白なのな。これって合わなく無いかな。白い部品なんかいっこもないんだよ。なので、黒にしてしまった。

 例によってばらして磨いて組んで調整して弾いてみた。ううむ。リアのボトムが出ない。もう少しボトムが欲しい。なんでかな。生音はスタンダードとあんまり変わらないのに。ピックアップなのかな。それ以外はなかなか良い。すっきりしていて、フロントはスタンダードよりいい。なかなかいいギターだとは思うんだけどな。

 リアのピックアップを変えるか。はたまた売却か。。。

Orville by Gibson LP Custom (88年製)
 ボディ:     マホガニー1Pバック、メイプル2Pトップ
 ネック:     マホガニー1P ローズ指板
 ペグ:      ゴトー ロトマチック
 ブリッジ:    ABR-1もどき
 テールピース:  スチール
 ピックアップ:  Gibson製 詳細不明
 コントロール:  2V、2T
 カラー:     エボニー・ブラック

追伸:売却されました。

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Last Update : 2006/08/12