SB-1200Sは、SBという名称の最後を飾ったモデルで、79年にヤマハが送り出した。当時の主力エレキ・ベースはこいつとBB(現行のマイケル・アンソニー・モデルの形)だった。BBがフェンダーのプレシジョンの、このSBはジャズベースの進化版という位置づけだったにもかかわらず、BBのほうが圧倒的に人気があったのがおもしろい。BBを残してSBは82年に生産中止となってしまった。SB-1200Sはその最上位機種で、当時のヤマハで流行っていたスルーネックを特徴としていた。
当時、BBも1200と2000というスルーネックのものがあり、私も昔BB-2000を持っていたが、手放したのが惜しまれる。BBの人気は、当初プレシジョンのようにフロントピックアップだけだったものにリアピックアップを追加して、音色のバリエーションを増やし、さらに当時人気絶頂のカシオペアが使っていたことで支えられていた。BBのユーザーは結構多いね。ポール・マッカートニーも使っていた。
SIAトリオのI氏は、前回のライブではSB-1200SとBB-2000を使用した。
このSB、音が太い。ネックが太く、ブリッジがダイキャストで重いの主要因だろう。そのため。当時流行りはじめたドンシャリサウンドには不向きだった。生産中止になったのは、時代に合わなかったためか。ちなみにBB-2000は太い音だけど3000はドンシャリである。2000から3000でピックアップのレイアウトが変わり、ブリッジがダイキャストからプレスに変更され、ネックも細くなっているのだ。時代の要求に応えたのだろう。そのためかBB-3000は寿命が長かった。
実は以前にもSB-1200Sを持っていたことがある。しかしネックの状態が良くないので手放してしまった。
今回のSBは、某リサイクルショップにず〜〜〜〜〜〜〜〜っと放置されていたモノだ。ヤフオクで転売したら結構もうかると思われるプライスタグが付いている。でもなー。ベースは弾かないしな。楽器コロガシは飽きたしな。うーん。あ、ヤフオクに出す楽器がたまってきたな。一緒に出すかな。ということで、当初は転がそうかと思って買いに行った。ネックの状態が問題なんだよな。当然のように順反りしている。ちょっとねじれてもいる。ペグの状態が悪いな。でも、あんまり弾かれて無くて、フレットは全然減ってない。傷もクリアの白濁も少ない。ま、いいや、買っちゃえ。
家に帰って弾いてみる。うー。太い。この死んだ弦でこんな音。うー。うー。うー。やっぱり持っておこうかな。
ひとまわりメンテをする。ペグは洗浄後グリスをたっぷり塗っておいた。電気系はそのままにした。現有のベースはすべて、1ボリューム、1ピックアップ・バランサなんだけどね。ネックは、トラスロッドの調整でまあまあのレベル。ああ、良かった。
新しい弦で弾いてみるが、太いね。リアのみやフロントのみはいいカンジだ。しかーし、フルアップでのスラップはイマイチ。これは、昔持ってたときも感じたんだよね。その時は、ネックがボルトオンのSB-500Sも一緒に持っていた(現在DTT宇都宮支部のソルさん所有)が、500Sのほうが抜けが良かった。スラップはボルトオンの方がいいみたい。でも、スラップはアトリエに任せるということで。
SBってやっぱりいいよ。
YAMAHA SB-1200S(ヤマハ)
ボディ: メイプル+ナトー+マホガニー
ネック: メイプル+マホガニー ワンピース
指板: 貼りメイプル
ピックアップ: 8ポールピース・シングルボビン(前)S-III×1 (後)S-IV×1
コントロール: 2V, 1T
カラー: コンバインド・パーシモン
その他: 1979年12月発売 1982年頃まで販売
追記:
売却されました。