ライブ

00/5/14 Steely Dan at 東京国際フォーラム

日程:
 2000年5月14日(日)
場所:
 東京国際フォーラム
メンバー:
 ドナルド・フェイゲン(vo,ep), ウォルター・ベッカー(vo,g) リッキー・ローソン(ds), ジョン・ヘリントン(g), トム・バーニー(b), (pf), ホーン×4, (cho)×3

 久々に自分でチケットを手配した。発売時間にインターネットと携帯の両面で攻めたが、やはり電話はつながらないのでインターネットで予約した。席は抽選ということだったが、15列目なのでまずまずである。

 客の年齢層はやはり高い。そりゃそうだ。ライブを除けばスティーリー・ダン名義としての新譜は、20年振りなのだから。新譜を聴いてファンになった女子高生なぞいないだろうな。

 途中に休憩を20分はさみ、前・後半1時間づつの演奏であった。選曲は新譜からと昔の曲をおりまぜるという一般的なものであったが、もう少し有名曲を入れてもいいのではないかというのが同行した友人との共通意見であった。バビロン・シスターズもガウチョもエイジャもリキの電話番号もホーム・アット・ラスト(邦題忘れた)も無いのである。

 ドナルド・フェイゲンは、体を大きく左右に揺らしていたのが印象的だ。やや危ないノリである。ボケ老人か。歌は、ま、そこそこ声も出ている。ウォルター・ベッカーは淡々とギターを弾く。円熟のプレイだ。

 全体の演奏はまあまあといったところだろうか。ギターのジョン・ヘリントンは、ちょっと音が硬く、フレージングはロック色が強い。ソロ・アルバムとは随分違うイメージであるが、自分としては好感が持てた。しかしながら、テナーはイマイチ。ドラムはさらに芳しくない。なんでリッキー・ローソンかね。一本調子だし、ハード過ぎる。数年前に出たライブ盤のアースキンの方がいい。そのアルバムのデニチェンもイマイチなんだよね。もう少し緻密でデリケートな方がいい。手数を抑えたヴィニー・カリウタが適任か。

 とはいえ、生でスティーリー・ダンが聴けるなどとは、思っていなかった。自分の好きなアルバム、ロイヤル・スキャムからの選曲も多く、なかなか楽しめるコンサートであった。

スティーリー・ダン
 70年代に活動していた、ドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーの双頭バンド。音楽性を追求するあまり、他のメンバーをすべてクビにし、曲ごとに豪華スタジオミュージシャンを起用したことで有名である。ミュージシャン、特にドラマーは必聴とされており、推奨盤に挙げられることが非常に多い。アルバムに起用されているドラマーは、バーナード・パーディ、リック・マロッタ、ジム・ケルトナー、ジェフ・ポーカロ、スティーブ・ガッド、などなど超豪華。他の楽器も若き日のラリー・カールトン、チャック・レイニー、ジョー・サンプル、ショーター、ブレッカー、サンボーンなど枚挙にいとまがない。だれだっけかが呼ばれてギターを入れに行ったら、リトナーのボツトラックがあったなんて話も。お勧めアルバムは、私からはロイヤル・スキャム(幻惑の摩天楼)、A氏がガウチョ、一般的にはエイジャ(彩)かな。ついでに、ドナルド・フェイゲンのソロアルバム、ナイトフライもお勧めだ。

セット・リスト:

1st
 Boston Rag
 Bodhisattva
 Night By Night
 Janie Runaway
 Josie
 Black Friday
 Daddy Don't Live In That N.Y.C. No More
 Jack Of Speed
 Do It Again
 West Of Hollywood
2nd
 Hank's Pad
 The Royal Scam
 Deacon Blues
 Cousin Dupree
 Monkey In Your Soul
 Dirty Work
 Peg
 My Old School
 Kid Charlemagne
encore
 Don't Take Me Alive
 FM


楽器のコーナー

ドナルド・フェイゲン:
 スーツケースのフェンダーローズとキーターという青いショルダー・キーボード。ローズはあんまりダイノマイでなく、甘めの音。

ウォルター・ベッカー:
 サドウスキーのストラトが2本。SSHの裏ざぐりとクラシック。音もプレイもけっこう良かった。

ジョン・ヘリントン:
 ES-335とテレキャス。意外ね。

リッキー・ローソン:
 レモの2バスセット。そんなにキックを踏むんじゃない。

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Last Update : 2003/10/07