ライブ

01/10/20 Dave Weckl Band at アムラックス

日程:
 01年10月20日(土)
場所:
 池袋アムラックス 5Fホール
メンバー:
 デイブ・ウェックル(ds), トム・ケネディ(b), スティーブ・ウィンガート(key), ブランダン・フィールズ(ts,as,ss,fl)

 ヤマハ・ドラム・デイ 2001の一環として、デイブ・ウェックルのクリニックとコンサートが開催された。コンサートのチケットは事前に入手できたのだが、クリニックは入場無料のかわりに整理券が必要で、それも当日の10時半から配布するということだった。宇都宮からだとかなり朝が早くなってしまう。どうしようかと思っていたのだが、岐阜から知り合いがわざわざ見に来るというので、彼に悲しい思いをさせないようにと早起きした。超人気(?)ドラマーなので、さっさと整理券が無くなる懸念がある。ちょっと早めの10時に会場へと到着した。すると、並んでいるのはたったの4人だった。10分後には友人のN氏が到着したが、やはり拍子抜けという顔をしていた。こうしてめでたくクリニックの整理券番号5〜7を入手したのだが、コンサートも入場整理券を発行し、その順に入れるという。その配布が11時だそうでさらに並び、こちらは整理番号3〜5を手に入れた。どちらも最前列で見られるぜ。

 右手の使い方がよく見えるやや左寄りの最前列をゲットした。ほどなくして、岐阜の友人がシンバルがセイビアンですよと言う。ホントだ。気が付かなかった。ジルジャンから移籍したようだ。従来の20チャイナの位置に18インチくらいで、10センチくらいの穴が6つくらい開いたシンバル(注:後にHHX evolution シリーズとして発売されたO-Zone Crash)があるのが目立つ。

 メンバーが紹介されて演奏がはじまった。1曲目はデイブ・ウェックル・バンド名義3枚目のアルバム「トランジション」から「ウェイク・アップ」だ。のっけからかなり叩きまくっている。

 なお、デイブ・ウェックルは、ソロ名義で3枚、その後デイブ・ウェックル・バンド名義で3枚のアルバムをリリースしている。

 デイブはデイブ・ウェックル・バンド結成の際に、バンドとしてグルーブを追求すると公言している。確かにバンドとしての1枚目のアルバム「リズム・オブ・ザ・ソウル」は、比較的手数を押さえたファンクアルバムになっている。これは、とにかく叩きまくってしまい、音楽性としてはかなり疑問な3枚目のソロ「ハード・ワイアード」の反省かと思われた。しかし、「リズム・オブ・ザ・ソウル」はセールス的に不振だったのか2枚目の「シナジー」では、手数を復活させたフュージョン路線に戻ってしまった。さらに3枚目は、長年の盟友であるキーボードのジェイ・オリバーと決別し、ファンク色の要であったギターのバジー・フェイトンを解雇してしまい、2枚目の手数路線を継承したファンク色の非常に薄いアルバムとなっている。確かに、「リズム・オブ・ザ・ソウル」は、ファンク・ミュージックとしての出来はいいとは言えない。ジェイ・オリバー色の強い電気ファンクで、曲がつまらない。しかし、2枚目以降の路線もやや疑問である。聞き直しても曲が酷似していて、おそらくフュージョン・マニア以外にはどれも同じに聞こえるであろう。手数に関しては、昨年見たマイク・スターン・バンドでの演奏でも、そんなに叩く必要があるのかと思えたくらいで、もちろん自己のバンドでは叩きまくっている。昔のクールな演奏とはかなり遠いものとなっていた。

 とはいえ、いいなあと思うところも多い。「チキン」でのインタープレイのアイデアはかっこよく、録音しておきたかったな。やはり、こういった既存の曲に対するアイデアは、アーティストとしての素晴らしさを感じさせてくれる。サックスのブランダン・フィールズは、テクニックはばっちりで音色もきれい。バラードの演奏は良かった。しかし、やや無機質で色が薄い。また、フルートとサックスの持ち替えを2小節でやっているのには感心した。キーボードはほとんどローズの音で演奏していた。プレイスタイルはあまり好きではないが、「ソルト・ピーナッツ」をモチーフにしたインタープレイのやりとりは笑えた。ベースのトム・ケネディは非常にタイトで、でしゃばらずにきちんとボトムを支えるタイプだ。デイブが起用するのももっともだという感じだった。

 アンコールはおなじみタワー・オブ・インスピレーションだ。ソロの1枚目「マスター・プラン」の1曲目で「シナジー」に再録されている。これは文句無くかっこいい、と思う。

 ウェックル・フリーク+ドラム小僧な私には、かなり楽しめた。とにかく、手足がよく動く。反面、昔のデイブみたいな演奏も聴きたいと思うのだが、無理なのだろうな。久々に「リズム・オブ・ザ・ソウル」を聞き直したのだが、このアルバムにはまだ古き良き、が残っている。3年で随分と変わったもんだ。


かなりあやしいSet List(順不同):
Wake Up
Braziluba
Like That
Groupe Therapy
Passion
Clossing Paths
Amanecer
Swunk
Cultural Concurrence
The Chicken
encore
Tower '99 (Tower of Inspilation)

楽器のコーナー

ドラム:
 セットはヤマハ・メイプルカスタム・アブソリュート
  22×16, 18×14(キック)
  10×7.5, 12×8, 14×12, 16×14(タム)
 スネアはデイブ・ウェックル・シグネーチャー
  14×5.5(アルミ), 13×5(メイプル)
 シンバルはデイブがプロデュースした SABIAN HHX evolution

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Last Update : 2003/10/07