ライブ

02/12/9 TOTO at 東京国際フォーラム

日程:
 02年12月9日(月)
場所:
 東京国際フォーラム ホールA
メンバー:
 Steve Lukather(g,vo), David Paich(key,vo), Mike Porcaro(b), SimonPhillips(ds), Bobby Kimball(vo), Tony Spinner(g,vo)

 ああ雪だ。宇都宮の積雪は17cm。都内までたどり着けるのだろうかと思ったが、新幹線はちゃんと動くのだった。しかし、寒い。

 TOTOは前回のマインド・フィールズ・ツアーにも行っている。(しかし前回のレポートは手抜きだな。。。)今回は、新譜「Through the Looking Glass」のリリースに伴うツアーだ。しかし、この新譜はカバーアルバムなので、そういう曲ばっかりだったらやだなと思いつつ、雪の中を東京国際フォーラムへと向かうのであった。

 席はなんと5列目だが、行ってみると一番右端であった。そこには1〜4列目の席は無く実質一番前なのだが、目の前にはPAスピーカーがそそり立っている。メンバーの配置は、前列中央にボビー、左にルーク、右にマイク、後方の左にデビッド。ドラムのサイモンは中央ではなく右側でななめにセッティングされている。自分のポジションからだと、サイモンを彼の左側ま横から見ることになる。直接足元が見えるという、かなり珍しい位置だ。

 重々しいSEが流れ、メンバーが登場する。打ち込みのパーカッションを取り入れた、ミドルテンポの曲が流れる。アレンジが施された「Girl Goodbye」であった。曲が判明した瞬間に会場は総立ちとなる。そこから「Goodbye Elenore」〜「Child's Anthem」〜「I Supply The Love」のメドレーでコンサートはスタートした。

 なにしろスピーカーのまん前、かなりの音量だ。若干キーボードが小さく、ベースがぼやけており、あまりいい状況ではない。しかし、ルークのギターは前回よりもいい音だ。ドラムも、キックのくりくりしたアタックが気持ちよい。

 ルークのMCが入り、新譜からのファースト・シングルである「Could you Be Loved」が演奏される。サイモンはサブ・スネアとティンバレスでリズムを刻む。新譜からは全部で3曲が演奏され、「While My Guitar Gently Weeps」の前には「Brother George」に捧げるとルークが語っていた。

 「Africa」ではマイクのソロが入る。「Stop Loving You」はTonny Spinnerがリード・ボーカルを取る。続いてのルークのアコギソロは「Roundabout」をモチーフに取り入れ、ハーモニックスを効果的に織り交ぜる。

 今回は「Girl Goodbye」「Georgy Porgy」「I Won't Hold You Back」など、アレンジを変えて演奏された曲が多かった。特に「I Won't Hold You Back」は打ち込みを用いて、オリジナルとは全く違ったミドルテンポの曲に仕上がっていた。また、ゆっくりとしたテンポで演奏された曲が多く、賛否両論あるとは思うがライブのスピード感という面では若干物足りないかなと思った。

 しかしながら、ギター、ベース、ドラムのタイムが良く、音価がきれいに揃い各楽器の休符がきれいに分離するため、ソリッドな感じがよく出ている。キーボードが必要以上に厚くないのも奏功していると思う。さすがに演奏はうまい。ボビーのボーカルも、前回よりは随分と良くなっていると思う。体調のせいか、復帰後間もなかったせいか。

 サイモンのグルーブは、昔のイメージである前へ前へというのりではなく、比較的落ち着いたものであった。また、左手にあるチャイナをリードに使う頻度が高く、なかなか効果的であった。ソロはタムとキックのコンビネーションからの展開だった。なお、今回のツアーを追っかけた友人によると、毎公演とも違うタイプのソロをとっていたそうだ。今回はオクタバンが無いなと思っていたのだが、ソロの途中でオクタバンの音がする。あれっと思ったら、キックの両脇に配された2つのオクタバンを、リモートペダルで演奏していた。オープニングでも使っていたのだが暗くてよく見えず、エレドラのパッドだと思っていた。

 「Rosanna」ではルークがピアノ・ソロを披露。ロックンロールナンバー「Afraid Of Love」からまくりに入る。ルークが目の前に来る。近くで見ると思ったより顔が小さく、若干の年輪を感じる。ラストは「Hold The Line」だ。イントロのピアノで会場は一気に盛り上がる。

 アンコールは7枚目から、反応のやや悪い「Home Of The Brave」。続いてイントロのピアノで盛り上がる「White Sister」だ。落ち着いたグルーブで、気持ちいいが、スピード感に欠けると友人は酷評していた。

 TOTOのように長い間活動しているバンドだと、選曲が難しい。1〜4枚目に人気曲が集中しているしていることもあり、新しめの曲は盛り上がりに欠ける。今回、アレンジを変えたり、メドレーを多くしてきたのも、人気曲に頼るややマンネリ化したステージからの脱却を試みたのかも知れないが、観客の理解は得られなかったのではないか。

 懐メロバンドになるのは惜しい。しかし、過去の呪縛が解けるほど現在のバンドに魅力があるとはいえない。なかなか難しい局面にあるといえる。

 なお、このツアーの模様は「Live in Amsterdam」というDVDで見ることができる。

Set List
 Girl Goodbye
 〜Goodbye Elenore
 〜Child's Anthem
 〜Could you Be Loved
 〜I'll Supply The Love
 Gift With A Golden Gun
 While My Guitar Gently Weeps
 Bodhisattva
 Africa
 〜Key Solo
 Stop Loving You
 〜Acoustic Guitar Solo (Roundabout)
 Waiting For Your Love
 Georgy Porgy
 Lion
 〜Hydra
 〜English Eyes
 〜Till The End
 〜Drums Solo
 I Won't Hold You Back
 Rosanna
 Afraid Of Love
 〜Hold The Line
 〜Can't Get Next To You
 〜Hold The Line
encore
 Home Of The Brave
 White Sister

楽器のコーナー

Steve Lukather(g,vo):
 ミュージックマンのルーク・シグネーチャー 黒のらめらめ1本のみ
 オベイションのエレアコ
 ステージ上にアンプやラックは無かった。

David Paich(key,vo):
 2段の下はヤマハのモチーフ
 上はコルグのトライトンかトリニティーかな
 他にも音源をいっぱい使っていることであろう。

Mike Porcaro(b):
 F Bass の5弦かな。赤のキルテッド・メイプルトップは衣装とおそろい。
 アンプレス

Simon Phillips(ds):
 TAMA スタークラシックの緑
 2バス4タム2フロアで、今回はオクタバンの位置にティンバレスが配されていた。
 24,24,10,12,13,14,16,18,22(ゴングバス)ってとこか。
 スネアは、おそらく自身のシグネーチャー。14×5 1/2とサブに12×5
 足踏みオクタバンが左右に1つずつと、ティンバレス。
 シンバルはジルジャン。左手にあるオリエンタル・チャイナ・トラッシュが欲しい。なお、ジルジャンのカタログに載っているセッティングは、左右のチャイナが逆です。
 ツーバスは左足スタート。私といっしょ。メタル勢は、ほとんど右足スタートだもんね。

Tony Spinner(g,vo):
 ゴールドトップのレスポール
 オベイションの12弦
 これまたアンプレス

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Last Update : 2003/11/01