日程:
03年5月7日(水)
場所:
栃木県総合文化センター
イベント:
Shikao & The Family Sugar TOUR‘03
メンバー:
スガシカオ(vo,g)
"The Family Sugar" as 間宮工(g), 松原秀樹(b), 森俊之(key), 沼澤尚(ds), 大滝裕子(cho), 斎藤久美(cho)
なぜかスガシカオである。彼のルーツはソウルミュージックにあるということだ。最近のアコースティックギターマガジンのインタビューでも、ファンクをアコギでやるというコンセプトを語っている。バックを努めるThe Family Sugarのバンド名の由来も、ソウルの大御所、Sly and the Family Stoneだ。ドラムは、日本を代表するグルーブドラマーである沼澤尚だし、チェックした昔のアルバムも結構いい。チケットを手に入れる機会にも恵まれ、総合文化センターへと向かうのであった。
開場時間のちょっと前に着いたが、会場のまわりは女の子ばっかり。それに混じって、セミロング+サングラスのなりきりシカオ(笑)が散見される。会場はほぼ満席で、男女比は9:1くらいか。どんなことになるのかなと思っていると客電が落ちシーケンスが流れ、バックが位置に着く。そしてシカオが登場する。ダンスホール状態へと突入するのだった。
宇都宮は「Shikao & The Family Sugar TOUR‘03」と銘打たれたツアーの初日であり、新譜の「Smile」はライブ当日の発売である。当然新譜はチェックしてないし、過去の5枚の予習時間はかなり少ない。ステージは新曲を前半に持ってきて、途中にアコースティックコーナーを挟み、後半にヒット曲を配するという構成だと思われる。なにしろアルバム通しでしか聞いていないので、シングルになっているのがどの曲かわからない。
友人達にスガシカオをどう思うか聞いたのだが、男性でアルバムを聞いたことがあるヤツはいなかった。女性はといえば「きもい」「エロい」と、音楽とは関係ないコトしか言わない。ラジオの番組があるらしく、それが下ネタ爆発だそうでそんな印象らしい。コンサートもMC重視かと思われたが、MCはそれほど多くなく、2〜3曲をまとめて演奏する正統派であった。
バックの演奏はうまい。非常に地味ではあるが、彼のコンセプトを実現するのに重要な役割を演じていると思う。Sly and the Family Stoneのベースといえば、スラップの元祖ラリー・グラハムであるが、松原はほとんどが2フィンガーであった。目立たない演奏ではあるがボトムをしっかり支えている。ドラムの沼澤であるが、一部のソースではあまりいい印象を持っていないモノもある。スタイルは、はっきり言って好みではない。しかしながら、必要にして充分なグルーブを生み出していたと言えよう。。。
コンサート会場では、女の子の方が元気である。ま、だいたいどこでも元気である。男の子もがんばって欲しい。曲によっては定番の振り付けがあるようで、とりあえずはまわりに従うのであった。しかしながら、クラブ世代には踊りづらいと思われるBPM=90前後の曲が多いためか、爆発的な盛り上がりという状況ではなかった。
ヒットメドレー(たぶん)でエンディングを迎え、アンコールは3曲だったがこれまた遅めの曲が配されていた。
まずまず楽しめたコンサートではあった。しかしながら、新曲を含めて若干つらいかなとは思っている。ひとつ前のアルバム「Sugarless」もあまり好きでない。最近、曲の作りが踊らせる音楽から「聴かせる」という方向を狙っているような気がする。ファンクを踏襲した初期のコンセプトが失われつつあるのではないかと個人的には思う。例えば彼が標榜するSly and the Family Stoneなんてのは、非常に単純なダンスグルーブであって、じっくり聞くモノではないだろう。それもあってか、「コンサートを楽しませる」という要素が薄い。コンサートの楽しみ方にもいろいろあるとは思うが、やはり聴かせるというよりも、もう少し楽しんでもらう方向に振った方がいいかなと感じた。
コンサートは楽しくなくちゃね。
総括
ファンク・ブラコンはダンス・ミュージックである。
Set List
あまい果実
ヒットチャートをかけぬけろ
アシンメトリー*
優等生*
夜明け前
AFFAIR
サヨナラ*
あだゆめ*
桜並木*
夜空ノムコウ
これからむかえにいくよ
黄金の月
気まぐれ*
8月のセレナーデ
正義の味方
SWEET BABY
ストーリー
ドキドキしちゃう
このところちょっと
Thank You*
encore
青空*
Go!Go!*
SPIRIT!
*は新譜「smile」から。このアルバムの10曲中9曲が演奏されています。なお、オリコン1位だそうです。まだ聴いてないや。
楽器のコーナー
スガシカオ(vo,g)
ギブソン B-25 小振りなボディが特徴。ギブソンというとJ-**が主流なので、少数派といえよう。最近のアコギタマガにインタービューが載っていたが、あえてこれを選んでいるということだ。中域が、がつんと出るこいつの方が、自分の音楽に合っていると言っていた。
フェンダー・テレキャスター・シンライン 2ハムの72年以降の形。これまた少数派だ。
アンプは、グルーブチューブのコンボとフェンダー・ザ・ツイン。
間宮工(g)
ギブソン・ファイアーバード
ギブソン・レスポール・スタンダード ゴールドトップ
後者がほとんど。
アコギは不明。
アンプは、VOXのAC30とマーシャル。ブランド不明のヘッドもあった。
地味と言えば地味。サポートに徹している。
松原秀樹(b)
フェンダー・ジャズベースが数本 60年代風。
アンプはヘッドがアッシュダウンで、キャビがアンペグ。
森俊之(key)
エレピ、シンセ数台、ハモンドXB-2、ノードリードなど
着実な演奏だ。クラビがかっこよかった。
沼澤尚(ds)
パール MRかな 22BD,12TT,16FT のいわゆる3点セット。カラーはホワイトアバロン。
スネアは不明。
シンバルはSABIANと今はなきPearlのWildシリーズのはず。Wildはハードオフなんかで見かけたらご一報を。スプラッシュのフレーズがかっこいい。