ライブ

03/8/5 渡辺貞夫 at 宇都宮市文化会館

日程:
 03年8月5日(火)
場所:
 宇都宮市文化会館
メンバー:
 渡辺貞夫(as, fl), リチャード・ボナ/Richard Bona(b, vo), エティエンヌ・スタッドウィック/Etienne Stadwijk(key), クリス・ヤング/Chris Young(g), ナサニエル・タウンスレー/Nathaniel Townsley(ds), スティーブ・ソーントン/Steve Thornton(perc), ンジャセ・ニャン/N'Diasse Niang(perc)

 行こうかどうしようかボナも来るしなと思っているうちに、チケットの発売日が来てしまった。こりゃ行けないかなと思っていたら、市役所関係で余っていたチケットを友人が入手し、同行することになった。10列目だ。ラッキー。

 ナベサダに行くのは**年振りだ。前回は資生堂の化粧品「ブラバス」(まだあるのかな)とタイアップしたツアーで、場所は京都会館である。この時はスティーブ・ガッド、ウィル・リー、リチャード・ティー、ラルフ・マクドナルドといういかにも「どフュージョン」なメンバーだった。

 アルバム「WHEEL OF LIFE」リリースに伴うツアーは「SADAO WATANABE Concert 2003 "WHEEL OF LIFE" featuring Richard Bona」と題されている。しかし、たったの5ヵ所とちょっとさみしい。それに宇都宮が入っているのは、出身地であることによる固定ファンの多さからだろうか。実際、キャパ2,000の会場の1階はほぼ埋まっている。客の年齢層はかなり高めだ。

 BGMが流れない会場の客電が落ち、メンバーが位置に着く。パーカッションがリズムを刻み始め、ドラム・ベース・キーボードが加わる。そしてナベサダが登場する。セットは非常に簡素で、すべての楽器は平置きだ。舞台装置は何枚かのバックスクリーンのみだ。

 構成は新作「WHEEL OF LIFE」(すいません、聞いていません)からの曲がメインだったようだ。リチャード・ボナのボーカルをフィーチャーした曲もあり、緩急織り交ぜたステージには好感が持てた。

 曲作りは昔と変わっていない。しかし、シンプルなキーボードとアフリカ色の強いリズム体のために、かなりアフリカっぽい。かつてのカリブからアフリカに引っ越したという感じだ。おそらく昔のガッド達がやったら、むかーしのままのサウンドになるだろう。アルトは相変わらずのナベサダサウンドで、ちょっと遅れたタイムと、良く言えば伸びやかな、悪く言えばひねりのないメロディは昔のままだ。しかしながら、ソロの力強い感じを維持できているのが偉い。

 ドラムはちょっとはねたフィールでオマー・ハキムに近い。ブラシやホット・ロッドを多用し、また2・4拍にあまりバックビートを持ってこないパターンでもあるため、フュージョン色が薄くなっている。しかしながら繰り出すフレーズはウェックル風どフュージョンだったりするから面白い。4ビートのアプローチも、リニアフレーズを多用していた。

 パーカッションはメインがンジャセ・ニャン、サブがスティーブ・ソーントンといった役割だ。ンジャセのアタックの効いたジャンベ風の楽器(これなんだろ)の支配力が強く、曲のアクセントとなっていた。

 キーボードはかなり薄い。それが奏功していると思う。最近のトレンド(か?)であるローズの音を多用し、ダイナミクスの豊かな演奏だった。

 ギターはちょっとアタックの弱いバッパーだ。「SPRING〜ALL BEAUTIFUL DAYS」ではナベサダのフルートとのデュオをエレガットできめる。

 ベースのボナだが、みんなが誉めるからあんまり触れたくない。(笑)しかしながら、スキャット連動の高速3フィンガーはすさまじい。双眼鏡を持参したのだが、いわゆるスイープを多用していた。ボーカルチューンはいかにもボナ。特にキーボードとのデュオで演奏された曲は良かった。キーボードのアーティキュレーションとベースのコントロールが絶妙だった。バッキングも着実だ。やや控えめであったが、アフリカンなリズム体によくとけ込んでいた。

 ラストは各自のソロをフィーチャーした、テンポの早めな4ビートのブルースだ。アンコールは「KARIBU」と2ビートバージョンの「HARAMBE」だった。この「HARAMBE」はあらゆるフォーマットにおけるナベサダのコンサートで定番になっているようだ。ドラムのナサニエル・タウンスレーは立ち上がって演奏していた。

 宇都宮の聴衆はおとなしく、アンコールでも座ったままだった。なかなか気持ちのいいうねりのあるアフリカンなリズムだ。踊った方がいいなあと思うのだった。

Set list
 ONE FOR YOU
 TEMBEA
 BASIE'S AT NIGHT
 SPRING〜ALL BEAUTIFUL DAYS
 WHEEL OF LIFE
 WIND & TREES
 ISABELLE
 JINDUNGO
 (順不同。他は不明。)
encore
 KARIBU
 HARAMBEE

楽器のコーナー:

ドラム:
 GMSのセット。20BD,10TT(BDの上)14,15TT(フロアの位置)くらいか。すべてRIMS付きでスタンドやタムホルダーはヤマハだ。
 シンバルはパイステ。ライドとハットがなかなか良かった。なんてシリーズだろう。

ギター:
 タイラーのストラトシェイプ。ピックアップはSSHでブリッジはウィルキンソン。
 シングルカッタウェイのエレガットも使用。メーカー不明。

ベース:
 フォデラ・インペリアル5弦フレッテッド。ヘッドにデッドポイント解消用のウェイトが付いていた。
 アトリエZの4弦フレットレス。ジャズベシェイプでソープバータイプのピックアップ。メセニーの時はサーだった。借り物かも。使用したのは4ビートの「ONE FOR YOU」のみ。

キーボード:
 スタインウェイのピアノ
 エレピとシンセ みんなローズの音を使うね。ナベサダの日本人バンド(?)の小野塚氏はスーツケース・ピアノをツアーに持っていってる。

ンジャセ・ニャン(perc)
 サバール(コンガのしんせき)2本とジャンベ(かな)

スティーブ・ソーントン(perc)
 いっぱい(笑)

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Last Update : 2003/12/01