ライブ

03/11/30 Eric Clapton at 日本武道館

日程:
 03年11月30日(日)
場所:
 日本武道館
メンバー:
 Eric Clapton(g), Steve Gadd(ds), Chris Stainton(key), Nathan East(b), Andy Fairweather Low(g)

 2年ぶりのクラプトンだ。でも、前回が最後のツアーというふれ込みだったのにな。

 今回は、チケットぴあのネット予約を使ったのだが、第1希望の29日(土)は取れず、第2希望の30日でも席は左手の2階席でステージは遙か彼方だ。双眼鏡を忘れたのが悔やまれる。客席の傾斜はきつく、後の列の短いスカートの女の子が気に掛かる。鏡を忘れたのが悔やまれる。(゚゜;)バキッ☆\(--;) 例によって客の年齢層は高めだ。

 定刻の15分過ぎに客電が落ちる。黒のアコギを抱えてクラプトンがステージに現れた。白のシャツにジーンズという出で立ちだ。今回は立ったままアコギをつま弾き始める。オープニングは知らないブルース・ナンバーだったが、ロバート・ジョンソンの「When you've got a good friend」という曲だそうだ。1コーラス歌い終えると、他の4人がステージに登場して演奏に加わり、クラプトンはギターをカラフルなイラスト入りのストラトに持ち替える。続く「Crossroads」はおなじみのアレンジではなく、やや遅めのシャッフルで、例のリフの所だけ原曲通りのイーブンなリズムになっていた。

 ステージはブルース・ナンバーの間に「I shot the sheriff」「White room」「Change the world」といったおなじみのヒット曲をはさむという構成だ。

 クラプトンは声もよく出ており、ギターもいい。年齢を感じさせない演奏だ。アンディは黒子に徹し、クリスもかなり地味な演奏だ。ネイザンはメインボーカルも取っていた。ガッドの左手は終始マッチドで、相変わらずちょっとオーバープレイ気味だ。

 音響は、やはり低域がはっきりせず、ベースはぼけていてドラムのキックも通らない。

 「Bell bottom Blues」の曲中では、なんらかのトラブルが発生したらしく、弦が切れたわけでもないのにギターを持ち替えた。この後も、そこかしこでローディーとのやりとりがあった。足元のエフェクターのところにケーブルを用意したところをみると、ワイヤレスのトラブルではないか。ギターのシステムだが、ワイヤレスの受信機がおそらくステージ上手にあり、そこから足元のエフェクターにケーブルで信号を送ってまたアンプへと戻すという具合になっていると思われる。しかし、用意されたケーブルを使うことなくステージは進行した。

 「Wonderful tonight」をしっとりと聞かせた後。「Cocaine」からまくりに入る。、前回はここから2階席も立ち上がっていたが、今回はやや盛り上がりに欠ける。アリーナも半分くらいしか立っていない。ラストの「Layla」で、やっと2階席にも立つ人が現れるといった感じだ。

 アンコールは「Sunshine of your love」だ。そしてメンバーが紹介され、本日初登場のギブソンL-5に持ち替えて「Somewhere over the rainbow」が演奏された。前回とは異なり、バンドでの演奏だった。終了後にメンバーがステージに並び、肩を組んでの挨拶があり、ネイザンの「オツカレサマデシタ」でコンサートは幕を閉じた。

 今回のステージをひとことで言うと、「ブルージー」だ。ブルース・ナンバーが主体の演奏で、アンプラグド・コーナーは無く、前作のAORアルバムである「Reptile」からの曲も無かった。アンプラグドの象徴である「Tears in Heaven」は演奏されず、「Change the world」「Layla」もエレキ・バージョンだ。、前回のちょっと顧客に媚びたセットとはうって変わって、クラプトンのブルースへの傾注を現した内容になっている。マーケット・インからブロダクト・アウトに転じたのか。

しかし、観客の割合は以下だと思われる。

20% 非ブルース(クリームなど)・クラプトンのファン
20% ブルース・クラプトンのファン
10% アンプラグド・クラプトンのファン
30% あんまり知らないけど来ちゃったヒト(デートの口実など)
20% ファンに連れてこられたヒト(家族、友人)

 これでは盛り上がらないのも無理はない。半分以上のヒトは演奏された曲の3分の2を知らないのだ。しかし、クラプトンのコンサートに足を運ぶ層は、世界的にもこんな感じだろう。次回のツアーは厳しくなるのではないか。

 まずまず楽しめるコンサートではあったが、次はなんか(クラプトン・ファンの家族になるとか)なければ行かないだろうな。

Set List
 When you've got a good friend
 Crossroads
 I shot the sheriff
 Bell bottom blues
 Reconsider Baby
 Can't find my way home
 White room
 I want a little girl
 Got my mojo working
 Hoochie coochie man
 Change the world
 Before you accuse me
 Kind hearted woman
 Badge
 River of tears
 Lay down Sally
 Wonderful tonight
 Cocaine
 Layla
encore
 Sunshine of your love
 Somewhere over the rainbow


楽器のコーナー

Eric Clapton
 ストラトが2本。カラフルなイラスト付き
 ギブソン L-5
 スチール弦のエレアコ 黒 ブランド/モデル不明
 ガットギター(エレアコ) これまた不明
 アンプはなんとかかんとかっていうクラプトン御用達のやつでしょう。

Andy Fairweather Low
 おなじみのピックアップ・レイアウトが妙なストラト
 フルアコ
 アンプはクラプトンと一緒なのかな

Nathan East
 ヤマハBB-NEのサンバーストと白

Chris Stainton
 ハモンド、その上にシンセ、横にエレピ

Steve Gadd
 ヤマハ・バーチカスタム・アブソリュート
 ジルジャンのシンバル
 ちょっとオーバープレイだと思うんだよなー。また、ブルースがガッドっぽくなくて、いや、もうひとつのガッドなのかな。なんというかまったりしたカンジ。狙ってるんだろうな。全体に重いドラムだった。

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Last Update : 2003/12/01