ライブ

03/12/28 Stevie Wonder at さいたまスーパーアリーナ

日程:
 03年12月28日(日)
場所:
 さいたまスーパーアリーナ
メンバー:
 Stevie Wonder(vo.key), Keith John(cho), Penzie Johnson(cho), ♀(cho), ♀(cho), Robby Jackson(key), Nathan Watts(b), Gerry Brown(ds), Minerva Jackson(perc), ♂(tp), Mike Phillips(ts)

 10年前ならば、一番コンサートに行きたいアーティストはスティービー・ワンダーだった。しかし、ここ10年でのオリジナルアルバムは「Conversation Peace」のみ。7年前の来日時はチケットを入手できず、旧譜もいつしかターンテーブルに乗らなくなり、スティービーへの思いはだんだんと薄れていった。今回のコンサートも、友人に誘われるまで知らなかったし、まあ、じゃ、せっかくだから行こうかな、くらいの気分だった。しかしながら久々に予習したアルバムは、昔の感情を思い起こさせてくれる。
 
 さいたまスーパーアリーナは初めてだ。席は幸運にもアリーナだったが、ずいぶんと殺風景なところから入場した。会場に着くと、まずは友人に勧められて楽器チェックにステージ前に行くのだった。考えてなかったな。今回は双眼鏡の準備を怠らなかったので、ばっちり観察できた。客層は意外と若く、20代が結構多くて、思ったよりもおやぢが少ない。平均しても30ちょいではないだろうか。若い女の子同士ってのも多いのだが、彼女らはどうやってスティービーを知り、どのへんを聴いてるのだろう。
 
 30分遅れて客電が落ち、メンバーが登場する。スティービーのYAMAHA MOTIF8からアコピの音が流れる。オープニングは意外なセンで「Golden Lady」だ。よく声が出ている。かなり若いときから活躍しているので、年寄りだと思っている人も多いかもしれないが、スティービーはまだ53歳だ。クラビネットは本物のD6を使っていた。ぱらぱらと弾くことしばし、「Higher Ground 」のリフへと突入だ。すでにおしりがうずうずしてくるが、周囲はおとなしく聴いている。「That Girl」でのハーモニカのソロもいい。
 
 演奏は派手さが無く着実だ。電子期以前の曲でもあり、すっきりしている。当初、音はまずまずだなと思ったのだが、音量が上がってくると低音のぼやけがきつい。ベースの音が回るし、キックは中域がほとんど無い。
 
 右手のピアノに座り直し、メドレーがスタートとした。「Summer Soft」から始まり、途中でMOTIFのローズへと移り「Lately」で締める。選曲が渋い。
 
 MCが入り、「Domo Arigato」という曲が即興で演奏される。歌詞は「Domo Arigato Baby 〜 Tottemo Aisitemasu」だったと思われる。
 
 ここから後半のまくりに入る。まずは、インコグニートのヒットで有名になった「Don't You Worry 'Bout A Thing」だ。回りの皆さんに失礼して立ち上がり踊らせていただいた。前が開けているアリーナで踊るのはちょっといい。かなりいい。まるで雲の上に出たような気分だ。「Sir Duke」でようやく回りも踊り出す。「You're The Sunshine Of My Life」のエンディングでは、ドラムのジェリー・ブラウンが「Superstition」に行きそうになる。スティービーが前に出てくるとシーケンスが流れ「I Just Called To Say I Love You 」だ。メンバーが紹介され、ラストはこれまた意外な「Key of Life」の冒頭からの「Love's In Need Of Love Today」だ。
 
 アンコールは会場からのリクエストに応えて「Ribbon In The Sky」。続いて、近々アルバムが発売されることがアナウンスされる。そこからのファーストシングル「What The Fuss」のサビの歌唱指導が行われ、この曲がラストとなる。2時間のステージだった。
 
 オープニングは73年発売の「Innervisions」から「Golden Lady」、2曲目は71年発売の「Where I'm Coming from」から「If You Really Love Me」だった。メドレーの中でしっとりと歌われた「Secret Life Of Plants」だが、会場でサウンドトラックであるアルバム「Journey Through the Secret Life of Plants」を持っているヒトは何割いるだろうか。また、初日のアンコールの2曲目はモータウンプロデュース子供歌手時代の「Up-Tight」だったそうだ。このように、会場では選曲がちょっとマニアックだったかも知れないと思った。「Talking Book」「Key of Life」「Innervisions」「First Finare」の4組は必聴盤なのだが、周囲の反応をみるとこれらも押さえられてない気がする。みんなは楽しめたのかな。しかし、今改めてセットリストを眺め直してみると、そうでもないかなとも思う。
 
 自分としては非常にたのしいコンサートだった。1曲目で落涙してしまった。ホントいい曲ばっかりだ。でも、「What The Fuss」を聴くと、新譜はどうなのかなと不安になる。
 
 次があるかどうかわからない。もう一回行けないかなと、帰った後にヤフオクをチェックするのだった。うーん。6日の大阪だと帰って来られないな。
 
 前日には「You're The Sunshine Of My Life」で平井堅の飛び入りがあったようで、ニュースで報道されていたらしい。また大晦日にはK-1グランプリ、紅白歌合戦への出演と、新譜のプロモーション活動に余念がないスティービーだった。

 スティービーの経歴に関しては「コレヲキコウ」もご参照下さい。

Set List
 Golden Lady
 If You Really Love Me
 Master Blaster
 Higher Ground
 That Girl
メドレー
 Summer Soft
 〜Secret Life Of Plants
 〜Send One Your Love
 〜Ordinary Pain
 〜All I Do
 〜Lately
 Don't You Worry 'Bout A Thing
 My Cherie Amour
 Overjoyed
 Signed Sealed And Delivered I'm Yours
 Sir Duke
  I Wish
 You're The Sunshine Of My Life
 Isn't She Lovely
 Part Time Lover
 Superstition
 I Just Called To Say I Love You
 Love's In Need Of Love Today
encore
 Ribbon In The Sky
 What The Fuss (new song)

楽器のコーナー

スティービー:
 正面にヤマハ・モチーフ8、その上にホーナー・クラビネットD6、右にコンサートピアノ。
 ドラムセットは、ヤマハ初代メイプルカスタムビンテージの22,10,12,14,16くらい。用意されてはいたが、2日目である28日は叩かなかった。初日は「Do I Do」でソロを叩いたとか。あらー。
 
キーボード:
 ヤマハ・モチーフ8、その上にホーナー・クラビネットD6ってことで、スティービーと同じ。
 
ギター:
 G&L のレガシー。ストラトみたいなやつね。色はサンバースト。スペアもあったが、これ1本だけを使用。
 
ベース:
 クルーズの5弦ジャズベ、ミュージックマン・スティングレイ、ヤマハTRB5、ローランドG-88(グレコGOBのボディを使ったベースシンセのコントローラー) クルーズの頻度が高かった。
 アンプはSWR。キャビはゴライアスIIのシニア。
 
ドラム:
 ヤマハ初代ビーチカスタム。ペアイエロー。22,10,12,14,16くらいのオールラックタム。キックのマイクはヤマハの新型「サブキック」。セットはレンタルなのかな。その割にはスティービーのも含めて2世代前のセットだ。メインスネアはデッドで地味目な音。サブスネアはコパーでややオープン。曲によって使い分けていた。
 かなーり地味なドラム。もーたうーんってカンジ。オープンハンドも使っていたが、そのスティッキングはちょっと特徴的で変則。

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Last Update : 2004/01/02