日程:
05年8月20日(土)
場所:
日光山輪王寺三仏堂境内
演目:
能楽 『班女』(はんじょ) シテ 観世 榮夫
狂言 『箕被』(みかずき) シテ 山本 東次郎
仕舞 『遊行柳』(ゆうぎょうやなぎ) 梅若 修一
仕舞 『阿漕』(あこぎ) 井戸 良祐
能楽 『融』(とおる)窕(くつろぎ)シテ 梅若 吉之丞
日本の伝統芸能のお勉強、ってことで行ってきた。
このイベントは、日光東照宮の隣にある輪王寺で毎年行われる。今年で19回目になり、19、20の両日にまたがって開催された。三仏堂の境内に舞台が組まれ、薪の明かりの下で能が演じられる。
「能」鑑賞は初だ。どんなことになるのか。まずは腹ごしらえということで、今市の小百田舎そばへ。ここは黒い田舎そばだけど細打ちだ。味はまずまず。この頃からだんだん暗くなり、雲行きが怪しくなる。そして、日光への移動中に降り始めた。にわか雨だろうが、開演までに止むのか。
輪王寺に着くころには小降りになっている。境内には舞台と客席が組まれているが、観客は軒先に避難している。薪の明かりでは足りないのか照明装置が入っている。かなり雨も上がり、係員が舞台と客席を拭く。受付でもらったポンチョを着て着席する。キャパは750だそうだ。意外と少ない。当然ながら年齢層は高く、20代はほとんどいない。チケット入手に出遅れたので、後ろから2列目。かつ、最後列は空席だ。
まず、薪に火がともされる。そして第一部の「班女」が演じられる。うーみゅ。こういうものなのか。かなり異様な文化だ。まず、なにを言っているのかわからない。パンフレットにト書きが載っているので、なんとかハナシはわかるというレベル。謡と呼ばれる歌(?)の部分がまたヘン。伴奏は囃子方と呼ばれ、笛・小鼓・大鼓・太鼓で構成されているのだが、打楽器隊がうなるんだよね。「んみょーん」「いよおーん」とかとか。まあ、テレビで得られるイメージからあまり外れてはいない。
狂言の方がわかりやすい。とはいえ、「滑稽」というカンジではない。昔のギャグってこんなのだったのかなという、歴史のお勉強に近い。
休憩が入り、後半にはいる。途中、雨脚が強まると後見が演者に傘を差し掛ける。「融」の舞はなかなかおもしろい。天候悪化の懸念があり、端折られたのが残念だ。
かなりネガティブなコトを書いてはいるが、なかなか興味深かった。舞の所作や謡もおもしろい。コトの進行がスムーズでいい。また見てもいいな。しかしながら、運営上の問題もある。上演中にスタッフがあたりを歩くのが耳障り。さらにはハナシしてるんだよね。ここは強く改善して欲しい。
次回は薪でない能が見たい。
薪能とは:
野外の舞台で、薪の火を照明代わりにして行う能。薪の明かりで演ずる能は、幽玄さが増して迫力があり、人気があるそうだ。本来は、奈良の興福寺に薪を献進する際に行われた能のこと。