ライブ

08/9/5 Brian Blade Fellowship at コットンクラブ

日程:
 08年9月5日(金)
場所:
 コットン・クラブ
メンバー:
 Brian Blade(ds), Melvin Butler(ts), Myron Walden(as,bcl), Jon Cowherd(p), Roland Guerin(b)

 最近、評判の高いブライアン・ブレイドだ。フェローシップという自己のバンドで日本に来ており、それを知らなかったのだが、友人がライブを絶賛している。フェローシップは3枚のCDが出ており、全部持っているのだがiPodには入っていない。このフェローシップ、いわゆるコンテンポラリー・ジャズで、楽器はアコースティックだがリズムは4ビートではなくイーブン系だ。こういったスタイルの音楽を、最近ほとんど聴かなくなっている。メセニーですらPMGは聴かない。で、3枚を聴いてみる。うーん。うーん。うーん。でも、行ってみるか。

 初のコットン・クラブ。東京駅のそばだ。キャパは200くらいか。ブルーノート風でちょっとそれより狭い。なかなかゴージャスでバブリー。開場は5:30だったが、仕事を終えて店に着いたのが6時ちょっと前。この時点で20組目らしいから、そんなに大人気というわけではないようだ。1秒悩んでドラム前のテーブル席に着いた。ブライアンまで4m。開演直前で7割くらいの入りか。自分の席のまわりにはオトコひとり、ってのがワタクシを含めて多い。きっとドラマーなんだろうな。

 メンバーが登場する。ブライアンがMCをとる。たどたどしく、会場の料理やオペレーションを誉める。オープニングは新譜から「Stoner Hill」だ。

 だいたいワタクシはあまのじゃくであり、みんなが誉めるとそうかな、って言いたくなる。と思って、このあとは怒らないで読んで下さい。ファンのみなさま。

 テナーとアルトの2管でテーマをとる曲が多く、あとはソロを回すというスタイルだが、単純にテーマのコードでソロをとるのではなく構成は練ってある。リズムはイーブン主体で変拍子もあり、まずまず楽曲はよくできている。

 しかしながら、みんながみんな誉めるほどいいか、と思うのだった。曲の方法論とかドラムを含む楽器のアプローチとか、ピンと来ないんだよね。PMGだったらもっと精緻なアンサンブルがある。3管のアンサンブルをフィーチャーしていて、みんなに不評なチック・コリアのオリジンの方が、いろいろな面でぐっとくる。もちろん、ブライアンのドラムはかっこいいけど、そんなに特別すごいと思わない。

 ブライアン・ブレイドが参加しているアルバムは、クレジット買いでけっこう持っている。会場に向かう途中、ジョシュア・レッドマンとやってるよなとiPodを探るのだったが、おおっ、と思うのはグレッグ・ハッチンソンの方なんだよなー。

 ま、好みですので。

 「The Sunday Boys」はバスクラとオルガンのデュオなのだが、このオルガンってなんだ? 足踏み?

 アンコールはやらないらしい。

 でもね、ブライアンのタイム感はすばらしいと思う。アプローチはルーズっぽいんだけど、抜群のタイム感でまとめている。ベースもいいカンジだ。リズム体のパルスはすばらしい。

 ということで、踏み絵的なライブだった。ワタクシの感性はヤバイのか。現状、スティーブ・ガッドやハーヴィー・メイソンでも感動しないだろうな。。。

Set List
 Stoner Hill
 Return of the Prodigal Son
 〜drums solo
 Migration
 The Sunday Boys (bcl, org)
 Amazing Grace
 Live by the Sword

楽器のコーナー
 CANOPUS
  Neo Vintage 18x14BD, 12x8TT, 14x14FT Gold Sparkle
  Zelcova 14x6.5 snare
  ハードウェア一式
 セットは古いグレッチとかのサウンドを狙ったもので、メイプルにポプラという柔らかめの材料をラミネートしている。比較的、ダイナミックレンジが狭いと思われる。それってどうなんだろう。ダイナミクスを重視した演奏だよね。でも楽器としてはダイナミクスが出づらい。そこを狙っているのかも知れないが、ちょっとギモンかな。少なくとも自分が欲しい音ではない。
 シンバルは、本人左から old-A HH 16??, Spizz? 22 with 2 rivets, old-A 24, Constantinople 22 with 2 rivets
 ハイハットって16インチなの? シンバルはどれもはかなりドライで、やはりダイナミックレンジが狭い。うーん。
 フットペダルは、YAMAHA FP8110。ベルトドライブで、アンダープレートナシ。これはワタクシのと一緒。さすがブライアン、と喜ぶのがイミ不明。CANOPUSはペダルを出してないんだよね。そのうちやるかな。

 イスは遠く低め。
 右手は手首をあまり使わず、腕と指がメイン。最近、回内回外ってみんな言うけどね。親指はかなりフレンチ。脇はけっこう開く。
 左手のレギュラーは、スティックを長めに握り、かなり手のひらが上を向く。薬指と小指をあまりスティック下に入れない。手のひらを上に向け、自然に親指だけ折ったというカンジでホールドしている。マッチドも多用。
 ハイハットの上下間隔は指1本以下と狭い。
 右ヒールダウン、左ヒールアップ。
 上半身を大きく動かすが、機能重視ではなく、エモーションか。ちょっぴり否定的かも。
 下半身の前後動はそれほど大きくない。トニー・ウィリアムスのタイム感は、下半身の前後動から生まれているとか。タイム感において重要なポイントだ。
 シングルストロークのコントロールがいい。ダイナミクスの制御が抜群で音も動きもきれい。うまいヒトはシングルがうまいよね。自分もシングルの練習をせねば。
 クローズドロールがきれい。
 って、書いてみたけど、そりゃうまいよな。

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Last Update : 2008/09/05