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CR-Xニノロウ 〜歴史

 83年、初代CR-Xが「バラードスポーツCR-X」として発売された。キャッチフレーズは「デュエット・クルーザー」で、後席を割り切ったコンパクトな3ドアハッチバックボディを有していた。プラットフォームは、同時に発売された「ハイパー・シビック」と共通だ。エンジンは、1.3L SOHCと1.5L SOHCの2仕様。フロントサスペンションはトーションバースプリングを採用したストラット、リアサスペンションはトーションビーム式だ。テールエンドを切り落とした形状のボディーは、空力性能を重視したもので、樹脂複合材料をフロントフェンダーやドア外装に採用した軽量ボディもあいまって、良好な燃費性能を発揮した。北米仕様に低燃費仕様車「CIVIC CRX HF」があり、当時の燃費性能No.1を獲得している。

 84年、ZC型 1.6L DOHC 16バルブエンジンを搭載する「Si」が追加された。大型化したエンジンのカムチェーン部を逃げるために、ボンネットには「パワーバルジ」が設けられた。

 85年にマイナーチェンジされ、ヘッドライトがセミ・リトラクタブルから、固定式に変更された。また、外観上の特徴であったツートーンカラーが廃止された。

 87年に二代目が発売された。車名からバラードが取れて「CR-X」となり、キャッチフレーズは、「サイバー・スポーツ」だった。デザインは初代を踏襲し、全体にワイド&ローフォルムとなった。初代で問題となった後方視界の悪さを改善するために、テールゲートにエクストラウインドウが採用された。このやり方は、後のインサイトやプリウスでも採用されている。ルーフは、ノーマルとアウタースライド式サンルーフの他に、「グラストップ」と呼ばれるガラス製のものが設定された。エンジンは、1.5L SOHCとZC型 1.6L DOHCの2種。ZC型エンジンを搭載する 「Si」のボンネットには、先代同様「パワーバルジ」が設けられた。サスペンションは同時デビューの「グランド・シビック」と共通の、前後ダブルウィッシュボーンへと進化し、操縦性能は向上したがホイールベースが短く、後輪が突然に流れ出すようなピーキーな性格となっていた。

 89年にマイナーチェンジが行われ、インテグラでデビューしたB16A型 1.6L DOHC VTEC 16バルブエンジンを搭載した、「SiR」が追加された。最高出力は160PS(NET)で、排気量1Lあたり100PSという出力を実現していた。ボンネットの形状が変わり、Siのパワーバルジは無くなった。

 92年、三代目がCR-X デルソルとしてデビュー。初代、二代目とは異なるオープン・クーペボディを有し、ルーフは「トランス・トップ」と名付けられた電動オープン機構を備えたモデルと、手動オープンの2種類が用意された。プラットフォームは「スポーツ・シビック」と共通で、基本的に先代を踏襲している。エンジンは1.6L VTECと1.5L SOHCの2種だった。

 95年にマイナーチェンジが行われ、前期型ではヘッドランプの内側に丸いアクセサリライトを埋め込んだ4灯式だったのが、後期型はアクセサリライトを廃した2灯となった。1.5L SOHCは1.6L SOHCに変更された。

 97年、「ミラクル・シビック」の発売とともに、CR-Xは生産が終了した。

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Last Update : 2012/03/30