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K100RSニノロウ 〜歴史

BMW K100RS(1983-89)

 83年のデビュー。BMW初の水冷エンジンを搭載している。その直列4気筒2バルブエンジンは縦置きで、90度寝かされて搭載されている。ピストンが地面と水平に動くのはRシリーズと共通だ。当時としては珍しいフューエル・インジェクションを装備し、987ccの排気量から90psを絞り出し、200km/hでの巡航が可能である。駆動方式はチェーンでなくシャフトドライブだ。リアサスは片持ちのモノレバーを採用している。また、キャタライザーを装備しており、オプションにはABSもある。安全と環境という現代のクルマのようなセールスポイントを持っていた。

 バリエーションとしては、ネイキッドのK100、ハーフカウルのK100RS、フルカウルのK100RT、RTにごちゃごちゃと入れ物を付けたK100LTがある。

 BMWは、空冷水平対向2気筒エンジンを有するRシリーズの後継としてこのKシリーズを開発したのだが、Rシリーズの人気は根強く、Kシリーズのセールスは伸び悩んだ。そして再び主力はRシリーズに戻るのだった。

 89年にK1がデビューするとともにK100は生産が中止される。このK1はK100をベースとしており、エンジンは4バルブ化された。レプリカのようなフルカウルを装着した、BMWとしては異質の存在だ。また、GSシリーズで採用されていたパラレバーをロード車として初採用した。90年にこのK1をベースとしたK100RS-4Vが登場。92年にはK1100RS,97年K1200RSと進化し、現在に至る。

 K100デビューの頃からバイクの進化は停滞し始め、懐古方向へ流れ始める。ノスタルジックなRシリーズに人気が集まってしまった。悲運の「近代」バイクだ。

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Last Update : 2005/10/25