解説

ドラムハード タイムレス・ティンバー(Timeless Timber)

 18世紀の中頃から1930年頃にかけて、アメリカ、ウィスコンシン州ではメイプル、バーチ、バスウッド、ウォルナットなどを中心とした森林伐採が盛んに行われていた。五大湖の1つであるスペリオル湖には、そういった大量の原木が並べられており、そのうちの10〜30%が湖底に沈んだと言われている。そして製材工場は閉鎖され、莫大な原木が湖底に忘れ去られた。

 20世紀末、探検家のスコット・ミッチェンが、スペリオル湖に沈没した軍艦調査をしている時にこの原木を発見した。所有権の法的な手続きや木材の乾燥設備などを整備し、数年を経てようやく世の中に出てくるようになった。この材料の商標がタイムレス・ティンバー「Timeless Timber」であり、楽器のみならず、家具やビリヤードのキューなどいろいろな木工製品に用いられ、好評を博している。

 タイムレス・ティンバーは、現在の樹木のように日の当たる環境で育てられたものではない。五大湖周辺の森林伐採が始まった頃の原生林は、人の手が全く加えられなかったため、昼間でも日光があまり当たらなかった。このような大自然の中で、年輪が細かく、密度の高い材料へと育った。樹径は太いものでは1.5mにもなるものある。

 水の中に眠っていた木材に問題は無いのかという疑問がある。実は木材の保存に水中は良い環境と言えるらしい。空気中の酸素や直射日光の影響をほとんど受ける事のない寒冷地で、水温の低い湖に沈んでいた事は、木材を腐敗から守ると言う意味でもなおさら良い環境だったということだ。さらに、水中のバクテリアが時間を掛けて木材の不純物を食べ尽くすなどの好条件が重なり、理想的な材料となった。

 今から70〜250年前に伐採され、樹齢200年以上の木材は、50年代に作られたビンテージ・ギターに使われた材料と同等以上の性質を有する。

 持ってるヒトいますか?

←左側にメニューが表示されていない場合はここをクリック

banner
Last Update : 2006/01/01