解説

ドラムハード 坂道のアポロン楽器考証

 「坂道のアポロン」フジテレビで放映されている、アニメだ。放映日は木曜の24:45〜。

 高校生の青春もので、ジャズが絡んでいる。設定は1966年だそうだ。

 主人公はピアノを、副主人公がドラムを演奏する。雑誌「JAZZ JAPAN」に掲載されていたのだが、ピアノは松永貴志、ドラムは石若駿(知りませんでした)が演奏し、さらに、ドラムはモーションキャプチャーで作画されている。そのため、演奏シーンはなかなか見応えがある。音も画も。

 では、恒例の楽器検証をば。

・ドラムセットは「YAMAHA」のロゴが入っている。ヤマハが初めてドラムを販売したのが66年で、D22というモデルだ。考証的には、ギリギリ間に合っている。しかしながら、「YAMAHA」のロゴが現在に近い形になったのが67年だそうで、D22のロゴはちょっと古くさいものになっている。アニメのロゴは67年以降のものだ。

・タムマウントはRIMS風のフローティングマウントになっている。これは80年代以降のものだ。D22は、レールマウントといわれる古い形式のタムホルダーが採用されており、この時代では標準的だ。もちろん、タムのマウントは直結になっている。

・バスドラムの打面側が、フローティングされている。フットペダルが、バスドラムのフープに装着されていない画が見られる。ディティールがはっきりしないが、これは90年代以降だ。

・副主人公の身長は、設定的に180cm以上だと思われる。それと比較するとバスドラムのサイズが大きい。ジャズでは18インチのバスドラムがよく使われるのだが、アニメの画的には22インチ以上に見える。なお石若氏の身長は、ネットで検索すると低そうだ。モーションキャプチャーするなら、もう少し大きいヒトを使った方が良かったかも。ただし、YAMAHA D22のバスドラムは、その名のごとく22インチだ。

・スネアのフープは、なぜかシングルフランジタイプのようだ。まあ、これはアリか。

・シンバルスタンドのチルターが変なデザインだ。

 そんなトコでしょうか。

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Last Update : 2012/05/07