解説

歴史 ヤマハ デイブ・ウェックル・シグネチャー

メイプル初代(91-05)
・MSD14DW
・MSD13DW
 メイプル胴。シェルやラグはメイプルカスタムと同一。特徴はデュアル・ストレーナー。14x5と13x5の2種類。

アルミ
・SD355DW(94-96? 01-05)
・SD365DW(94-96?)
 アルミ胴。ラグはメイプルカスタムと同一でクロムメッキ。もちろんデュアル・ストレーナー。14x5.5と14x6.5の2種類。

メイプル2代目(05-13)
・MSD14ADW
・MSD13ADW
 メイプル胴。ラグはヌーヴォー。もちろんデュアル・ストレーナー。14x5.5と13x5.5の2種類で、0.5インチ深くなった。

30周年記念(2014)
 エンドース30周年を記念して、2014年に世界限定100台で発売された。

・SD4455DW30TH
 なぜかブラス胴。なぜアルミじゃないのか。

・MSD1350DW30TH
 メイプル胴で6プライと、前モデルより1プライ薄い。


歴史:
 91年にメイプル・カスタムがデビュー。ちょっと遅れて、デイブ最初のシグネチャーであるMSD14DWとMSD13DWが発売される。特徴はデュアル・ストレーナーで、ステンレスとハイカーボンの2本のスナッピーが装着されている。シェルはメイプル・カスタムと同一の7プライ7mmだ。
 2本のスナッピーだが、推奨の使用方法はステンレスをタイトに、ハイカーボンをややルーズにして、2本とも使うということだった。しかし、どっちをどう使ってもほとんど音は変わらない。当時このスネアを使っていた菅沼孝三さんは、センターからずれていることが効能であると言っていた。
 94年にアルミの、SD355DWとSD365DWが追加される。シェルは2mmのアルミだ。これらは売れなかったのか、2年くらいでカタログから消えてしまった。しかし、なぜかデイブ本人はアルミの5.5を使い続けていた。そのせいか、01年には5.5のSD355DWだけ再発売された。
 05年、ヤマハはスネアのラインナップを大幅に刷新した。メタル胴はシームレスから溶接に変更され、SD355DWを含むいくつかのモデルがカタログから落ちた。メイプルはADWにモデルチェンジされ、ラグはヌーヴォーになり、シェルは0.5インチ深くなった。
 13年、生産が海外へ移管され、2代目の生産中止がアナウンスされた。
 14年、Winter NAMM で30周年限定モデルが発表された。

デイブ使用スネア:
 -91  SD935BS  ブラスの14x3.5
 91-94 MSD13DW
 94-14 SD355DW + MSD13DW(サブ)
 14-  SD4455DW30TH + MSD13DW30TH

 チック・コリア・エレクトリックバンドで脚光を浴びたデイブだが、当時のスネアはブラスのピッコロであるSD935BSだ。これは結構売れたようで、友人にも所有者が何人かいるし、今でもたまに見かける。
 91年にシグネチャーが発売されると、デイブが選んだのは13インチのMSD13DWだ。彼のスタイルだと、反応が早く減衰も早いほうがいいと思われる。そのために以前はピッコロだったのだろう。そんなこんなで13インチを選んだようだ。
 よって、当時はデイブが大好きだったワタクシも、13インチを買った。90年代前半はよく使っていたが、菅沼孝三さんに、13と14を併用するのは打点がぶれるのでやめた方がいい、とアドバイスされた。そのために、こいつを含む13のスネアは全て売り払い、以後13を買ったことがない。
 アルミが発売されると、深さが5.5のSD355DWを使い始める。このころ、デイブは演奏方法を改革しており、レギュラーグリップをメインにすることを決めていた。セットはレギュラーに適した組み方になり、デイブの特徴だった左手側のタムが無くなった。そこにサブスネアとして、今までメインで使っていたMSD13DWが配された。
 アルミは2年くらいであっさり生産中止となる。売れなかったのだろう。なにしろ、このシリーズは高い。アルミのSD355DWは67,000円。国産でメタルでこの値段だと、ちょっとキビシイいだろうな。
 このSD355DWだが、生産中止になった頃に新品が処分されていた。なんと65%OFF。思わず買ってしまったのだが、今ひとつピンと来ないので、ソッコーで売り払ってしまった。でもなあ、菅沼さんも使ってるしな、と2週間後、考え直して売却先の楽器屋に連絡したが、すでに売り払われていた。
 長い間、デイブはSD355DW + MSD13DWを使っていた。新しいシグネチャーは使ってなかったんだよね。それでいいのか。フツーは配慮するでしょう。
 2014年以降は、きっと30周年の新型を使っているはず。まだ見たこと無いけど。

市場動向:
 生産中止になったアルミは、中古価格がかなり高い。SD355DWが新品時で67,000円(税抜き)。だいたい20%OFFくらいにはなるので、実売は5まんえんちょいだが、現在、事情を知っている楽器屋での中古価格は、これを上回っている。ちょいプレミア。ヤフオクに出ても5まんえん近くになってしまう。おそらく生産数はかなり少ない。シームレスはもう作れないか。ちなみに、同じくヤマハのヴィニー・カリウタ・シグネチャーも高値。どちらも、どっかで安く転がっていたら、買った方がいい。なお、初代メイプルの中古はたまにみるし、値段もそれほど高くない。

 結局、SD355DWを買い直してしまった。一応デイブ・フリーク、かつコレクターだもんね。

 アルミが発売されていた期間をご存じの方は教えて下さい。

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 History of YAMAHA Dave Weckl Signature

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Last Update : 2005/02/04