これを聞こうA-Z

第14回:M = Manhattan Transfer

Mecca For Moderns / The Manhattan Transfer
(モダン・パラダイス / マンハッタン・トランスファー 81年)

メンバー:
 Tim Hauser, Janis Siegel, Alan Paul, Cheryl Bentyne(vo,cho)
 Jay Graydon(g), Steve Lukather(g), Dean Parks(g), David Foster(key), Abraham Laboriel(b), Steve Gadd(ds), Alejandro "Alex" Acuna(Perc), Jerry Hey(tp), Tom Scott(ts),他 Produced by Jay Graydon

収録曲:
 On The Boulevard / Boy From New York City / (Wanted) Dead Or Alive / Spies In The Night / Smile Again Listen Listen / 'Until I Met You' (Corner Pocket) / (The Word Of) Confirmation / Kafka / A Nightingale Sang In Berkeley Square

 マンハッタン・トランスファー(以下マントラ)は、美しい混声コーラスと華麗なステージングで世界的な名声を得た、4人組のコーラス・グループである。ジャズ・コーラスの技法を踏まえた上で、ドゥーワップやブラジル音楽にも取り組み、これまでに8つのグラミーを獲得している。

 タクシーの運転手をしていたティム・ハウザーが、ローレル・マッセーと意気投合して結成され、75年にデビューした。4作目の「Extensions」では、ソロアーティストとしてデビューしたマッセーに代わりシェリル・ベンティーンが正式加入したが、このジェイ・グレイドンのプロデュースによるアルバムでブレイク。ウェザー・リポートのカバー「Birdland」でグラミーを初受賞した。本作品は引き続きジェイ・グレイドンのプロデュースで製作され、グラミーを2つ取った。

 マントラはヴォーカリーズ・ツアーの時に見ている。場所は大阪フェスティバルホールだ。確かにステージングが素晴らしかった。1部ではアコースティック・セットでスタンダード・ジャズ・ナンバーを演奏し、2部ではセットを入れ替えてのエレクトリックサウンドだった。当時のギターが誰かはわからないのだが、曲に合わせてフルアコ・セミアコ・ソリッドとうまいこと弾き分けており、プロはすごいなーと思ったものだ。ステージはショーアップされており、非常に楽しいものだった。ドラムのバディ・ウィリアムズは「これはヤマハの新製品だぜ」と、マジックで「BX-1」と書いた段ボール箱を抱えてステージ中央に座り、ブラシ演奏を聴かせてくれた。このツアーの模様は「Vocalese」というタイトルでビデオが出ている。

 さて、本作であるが、ジェイ・グレイドンの絶頂期の作品である。アレンジが素晴らしい。1曲目の「On The Boulevard」は完璧だ。スティーブ・ガッドの素晴らしいドラム。ジェイ・グレイドンのギターソロが、なんでも無いようだがむちゃむちゃかっこいい。いわゆるジェイ・グレイドン/エアプレイな曲と、ジャジーなナンバーが並び、最後は美しいアカペラの「ナイチンゲール・スクエア」だ。ホント素晴らしい。

 ぜひぜひ聞いてくれい。今ならCDも買える。

Discography
 1975 The Manhattan Transfer
 1976 Coming Out
 1978 Pastiche
 1979 Extensions
 1981 Mecca For Moderns
 1983 Bodies And Souls
 1985 Bop Doo-Wopp
 1985 Vocalese
 1987 Brasil
 1992 The Offbeat Of Avenues
 1992 The Christmas Album
 1995 Tonin'
 1997 Swing
 2000 Spirit Of St. Louis

選外:

 Seven Steps to Heaven / Miles Davis (マイルス・デイビス)
  トニー・ハービー期から1枚は選びたいところだろう。

 Decoy / Miles Davis (マイルス・デイビス)
  ギタリストで選ぶとこれ。ジョン・スコフィールドはかっこいいぜ。でも、あまり人気のないアルバムらしい。

 In Trio / Michel Camilo (ミッシェル・カミロ)
  やはり、デイブ・ウェックル&アンソニー・ジャクソンでしょう。うるさいと言われようが好き。そういえば、「ホワイ・ノット」はマントラがカバーしている。

 Upside Downside / Mike Stern (マイク・スターン)
  この頃がいいな。クロマゾーンもはいってる。うばうばスターン。

 The Sun Don't Lie / Marcus Miller (マーカス・ミラー)
  現行路線の第1作。最近の作品は方法論的に厳しくなっている。ベースでメロを取り続けるのはムリがあるなー。

 True Blue / Madonna (マドンナ)
  マドンナはこれがベストかな。よく聞いた。

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Last Update : 2003/08/25