では「S」の準グランプリ、1組目の発表です。(ドラムロール)
Cupid & Psyche 85 / Scritti Politti
(キューピッド・アンド・サイケ85 / スクリッティ・ポリッティ 85年)
メンバー:
Green Gartside(vo), David Gamon(g), Fred Maher (ds)
収録曲:
The Word Girl / Small Talk / Absolute / A Little Knowledge / Don't Work That Hard / Perfect Way / Lover To Fall / Wood Beez / Hypnotize (CD extra: The Word Girl, extended version / Absolute, extended version / Wood Beez, extended version / Hypnotize, extended version)
78年ロンドンで結成。82年に1stアルバム「Songs to Remember」をリリース。83年に、リーダーであるグリーンはニューヨークに渡り、新メンバーであるデイヴ・ギャムソン、フレッド・メイハーと「ウッド・ビーズ」「アブソルート」、マーカス・ミラーが参加した「パーフェクト・ウェイ」などのヒットシングルを発表。それらをまとめて85年にリリースされたのが本アルバムだ。その勢いで、88年に3rdアルバム「Provision」を発表。しかしこの作品以降、ツアーに嫌気のさしたグリーンはイギリスに戻り活動停止。しかし11年ぶりに復活し、99年に「Anomie & Bonhomie」をリリースする。
テクノロジーを駆使した斬新な音造りは画期的で、音楽業界に旋風を巻き起こした。その後のジングルはこいつのモノマネがむちゃむちゃ多かった。このアルバムは、実質グリーンひとりで製作されたといっていい。彼のセンスの素晴らしさがめいっぱい表現されたアルバムだ。
アレンジに興味のある人は絶対に聞くべきだが、もちろん楽曲も優れている。
このアルバムでは、当時家一軒が買えるといわれたサンプラー、フェアライトを全面的に使用している。家一軒といわれてもピンキリなのだが、フェアライトは実質受注生産で、オプションによって値段が全然違っていたらしい。当時はメモリーが高かったもんね。それと長時間に渡るスタジオ代で、膨大な制作費がかかったらしい。それまではたいして売れてなかったグリーンに、ポンとカネを出すヴァージン・レコードはえらい。
プロデュースはアリフ・マーディンである。グリーンがプロデュースをしてもらいたくてデモを送ったところ、快諾されたそうだ。この縁で、グリーンはチャカ・カーンに「ラブ・オブ・ライフタイム」(ディスティニー収録)を提供する。
次作の「プロヴィジョン」も良い。こちらの方が洗練されているが、「キューピッド〜」のなんていうか、ちょっとあざといいうか、いなたいというか、なところが好きなのである。
しかーし、最新作のできはなんなの?
Discography
1982 Songs To Remember
1985 Cupid & Psyche 85
1988 Provision
1999 Anomie & Bonhomie