Rising Force / Yngwie J. Malmsteen
(ライジング・フォース / イングヴェイ・J・マルムスティーン 84年)
メンバー:
Yngwie J. Malmsteen(g、b), Jeff Scott Soto(vo), Jens Johanson(key), Barriemore Barlow(ds)
収録曲:
Black Star / Far Beyond The Sun / Now Your Ships Are Burned / Evil Eye / Icarus Dream Suite / As Above So Below / Little Savage / Farewell
「Lars Johann Yngwie Malmsteen」は63年、スウェーデンはストックホルムに生まれる。幼少時からピアノとトランペットのレッスンを受けるが長続きせず、7才の時にジミ・ヘンドリックスの死をテレビで見てギターを志す。10才でパープルを弾きこなし、リッチー・ブラックモアから多大な影響を受け、バッハやヴィヴァルディといったバロック音楽にも興味を示し、パガニーニを崇拝するようになる。地元でバンド活動を続けるがスウェーデンの音楽状況に限界を感じる。19才の時に「ギタープレイヤー」誌に送ったデモテープがマイク・ヴァーニーの耳に留まり、LAに移住してスティーラーに参加し82年にアルバムをリリース。大人気を博すがさっさと脱退し、グラハム・ボネット率いるアルカトラスに参加する。2枚のアルバムを残してけんか別れするが、ギタリストとしての名声を一気に上げる。84年に1stソロである「Rising Force」をリリース。86年にボーカリスト、マーク・ボールズを起用し「Trilogy」を発表。時のメタルブームに乗り大成功を収め、マイアミに豪邸を建て、フェラーリを買いこむ。しかし、この後、交通事故、母親の死、詐欺、地震など不幸が続く。90年にはメンバーを一新し、すべてスウェーデン人を起用し「Eclipse」をリリースし再起を計る。しかし、日本では売れたのだが、すでにメタルブームの去ったアメリカでは売れなかった。このころから日本以外でのセールスは低迷し、増えてきたネオ・クラシカル・ギタリストの山に埋もれてしまう。95年の「Magnum Opus」ツアーでは、宇都宮の総合文化センターにおいて勝戸さんが拝聴されるが、あまりの音量に難聴となる。しかし、99年に弾きまくりアルバム「Alchemy」を発表してギタリストとしての存在感を示し、2000年に「War to End All Wars」をアメリカ向けにリリースし、大々的なプロモーションを行い成功を収める。2002年には「ATTACK!」ツアーで来日。またまた勝戸さんが拝聴される。
1枚を選ぶのが非常に難しい。「Inspiration」(カバーアルバム)を選ぶわけにはいかないし。むちゃむちゃ悩んで、記念すべき1stにしてみた。
本作はインストルメンタルが中心で、歌モノは8曲中2曲のみだ。スタイルは、後に「ネオ・クラシカル」と呼ばれるようになる「ロックによるクラシックの表現」だそうだ。リッチー・ブラックモアのスタイルを発展させた感じで、ギタープレイはメロディック・マイナーを多用し、スイープ奏法を活用した高速フレージングが特徴である。このスタイルは、トニー・マカパインやヴィニー・ムーアなど多くのフォロワーを生んだ。ギタリスト必聴のアルバムである。
曲はいわゆる様式美で、ドラマチックな曲作りにはキーボーディストであるヤンス・ヨハンソンの貢献が大きい。良質のロック・インスト・アルバムとなっている。
コンサートで2回、楽器フェアで1回お目にかかっている。楽器フェアのときはすさまじい人気で、はるかかなたからちらっと見えただけなのだが。
ギタリストとしての名声は高く、日本でのセールスは好調だが、アメリカで売れないことのジレンマは大きいようだ。
でも、ギター・ヒーローがでぶなのはやだな。
Discography
1984 Rising Force
1985 Marching Out
1986 Trilogy
1988 Odyssey
1989 Trial By Fire - Live in Leningrad
1991 Eclipse
1992 Fire And Ice
1994 The Seventh Sign
1995 Magnum Opus
1996 Inspiration
1998 Facing The Animals
1998 Concerto in E Flat Minor Op. 1
1999 Alchemy
1999 Live!!
2000 War To End All Wars
2002 Attack!
選外:
Close to the Edge(危機) / YES
イエスだとこれだな。こわれもの、究極も好き。