日程:
03年5月24日(土)
会場:
よみうりランドEAST(野外ステージ)
出演:
カシオペア with 神保彰、松岡直也グループ、ナニワエキスプレス、鈴木茂 & FRIENDS、THE SQUARE、パラシュート、高中正義 with friends
「CROSSOVER」という言葉を知ってますか?
現在でいうところのフュージョンは、出始めの70年代後半頃にはこのように呼ばれた。チック・コリアのリターン・トゥー・フォーエバー、アル・ディメオラ、クルセイダーズ、日本のプリズムなんかがこの類だ。ジャズとロックが交差した音楽という意味合いだったが、いつしかジャズとロックが融合したという意味のフュージョンと呼ばれるようになっていった。
京王線の京王よみうりランド駅に着いたが、むちゃむちゃイナカだ。遊園地など影も形も見えない。ほんとにここでいいんだろうなと降りるのをちょっとためらった。改札を出ると、ゴンドラに長蛇の列。駅から結構遠いんだな。アクセスはそのゴンドラかバスか徒歩だ。バスを選択したが最初に来たのには満員で乗れず、次ので会場入りした。チケットのもぎり付近でバンド紹介が始まってしまった。オープニングアクトはカシオペアだ。「ASAYAKE」のイントロで席に着く。
カシオペア with 神保彰
野呂一生(g), 向谷実(key), 鳴瀬喜博(b), 神保彰(ds)
オープニングの「ASAYAKE」は主催者側の要望だそうだ。続いてCMソングにもなった「The Soundgraphy」、「Galactic Funk」という初期のナンバーが演奏された。そして、中期カシオペアの「The Sky」と「Set Sail」だっけかなを挟んで新曲を披露。その新曲へのコメントが、カシオペアの伝統芸能「16分食い」を21世紀になってもまだやるのかという曲、といった内容で客席の受けを取っていた。全くもってコメント通りの曲であった。ほとんど自虐的とも言える向谷のMCが楽しい。そこから「Take Me」ときてラストは「Fight Man」だ。
イベントの意味合いはタイトルに「CROSSOVER」とあるように、いにしえのバンド(失礼)を持ち時間40分でみんなに楽しんでもらおうということだろう。カシオペアの選曲は主旨に則っており、エンターテインメント性抜群のステージであった。もちろん、演奏はいうまでもない。
松岡直也グループ
松岡直也(pf), 高橋ゲタ夫(b), 大橋イサム(g), 大坪稔明(key), 田中倫明(conga), 大儀見元(timbales), 岩瀬立飛(ds)
オープニングはハードロックチューンの「夏の旅」だ。80年代の名曲「One Last Farewell」「Like a Volcano」などを集めてきた。ゲタ夫が観客をあおる。さらには「Mambo Naoya」で松岡を踊らせようとするが、失敗する。これまた楽しいステージだった。残念なのは松岡直也のエレピが不調だったことだ。
ナニワエキスプレス
清水興(b), 青柳誠(pf,ts), 中村建治(key), 岩見和彦(g), 東原力哉(ds)
「Emargency」のカッティングギターでステージは始まったが、よっぱらい力哉はなかなか演奏を始めず、観客をいじる。リズムもかなりよっぱらっており、構成も見失う。続いての「Between the Sky and the Ground」では例によって青柳とケンジが前に出る。新曲「Jazzalka」「Eleven」をはさんで「The Koya-Samba」だ。エンディングでドラムソロが入るが、力哉のいたずらで時間が無くなったためソロを見守るメンバー間に伝令が走り、最後の「Believin'」はサックスソロがはしょられてしまった。残念。
演奏はかなりやばかった。特に力哉。ほとんど力哉(笑)。ま、お祭りということでよしとしよう。
バンド入れ替えの合間には、メインステージ右のサブステージで、即興セッションが行われた。仕切っていたのはナニワだ。さすが関西人。パラシュートの2人がブルースを弾く。斉藤ノブがカホンを叩き、力哉が踊る。青柳・ケンジ組が「For My Love」を連弾する。
鈴木茂 & FRIENDS
鈴木茂(g), 田中章弘(b), 宮田繁男(ds), 岩沢二弓(g), Strings×4
比較的地味で堅調なステージだった。ストリングスのおねえちゃんが4人。
このへんからだんだんだれてくるのだった。長丁場で野外だもんね。トイレに行き、食料を買ってくるのだった。
THE SQUARE
安藤まさひろ(g), 伊東たけし(as,ewi), 和泉宏隆(pf), 須藤満(b), 則竹裕之(ds), 河野啓三(key)
オープニングが「ASAYAKE」だったので、ラストは「TRUTH」かと思いきや、中盤にきてしまった。T-SQUAREは3年くらい前に伊藤・安藤のみとなったが、最近このメンバーでバンド名も「THE SQUARE」に戻しアルバムを出している。頭から4曲は新譜からと思われ、会場は盛り上がりに欠ける。その後やっとバラードの「Hearts」。続く「Omens of Love」で盛り上げて「TRUTH」だ。ここは最初から昔の曲で行くべきだったろう。さらに伊藤たけしのMCはつまらない。和泉か須藤でもっと盛り上げて欲しい。
これではいかんよな。来年は考え直して欲しいな。とはいえ、このメンバーで「TRUTH」がまた聴けるとは思わなかった。
パラシュート
安藤芳彦(key), 今剛(g), 松原正樹(g), マイク・ダン(b,vo), 斎藤ノブ(perc), 林立夫(ds), 井上鑑(key)
幕開けは「HERUCLES」だ。22年振りの再結成。新曲などあるわけないので、演奏されるのは必然的に昔の名曲となる。とはいえ、このバンド、あんまり好きではない。ちょっと堅すぎるのが好みに合わない。
ま、ギター2名はうまいよね。今はスチールギターも披露した。
高中正義 with friends
高中正義(g), 後藤次利(b), 斎藤ノブ(perc), そうる透(ds), 南部昌江(key), 松本圭司(key)
トリは高中だった。ベースがなんと後藤次利だ。演奏するのを見るのは初めてだ。ドラムのそうる透も東京おとぼけキャッツ(ふるー)以来だ。「SAUDADE」でステージはスタート。続いて「Finger Dancin'」だ。こいつもコピーしたなー。ああ懐かしい。古い曲で揃えてきたのはえらいえらい。そして、「Early Bird」ときて「Ready to Fly」では弦を切る。「黒船」で一度ひっこみ、アンコールという形にして「Blue Ragoon」だ。この1曲だけは踊っておいた。
そうる透がじゃかましい。ギターの音がイマイチだ。とはいえ、高中を聴きに行くことになるとは思わなかった。
「ASAYAKE」に始まり「Blue Ragoon」で終わるという、タイムスリップなイベントだった。7時間という長丁場で、途中ややだれたもののまずまず楽しめた。
まあ、こーゆーイベントはお祭りだよね。野外で音響もそんなに良くないし。客を楽しませてナンボでしょう。自分のバンドのファンばっかりじゃないんだから、その辺を考えないと。その上でなんか新しいところで魅せて欲しい。かなりのひいき目はあるがカシオペアが一番楽しかった。それにひきかえ、スクエアの姿勢はいかんよね。
来年もあるそうです。行くのかな。
CROSSOVER JAPAN '04 はこうして欲しい:
T-SQUARE featuring 本田雅人
松岡直也 and Wesing
ナニワエキスプレス
プリズム
ザ・プレイヤーズ
KAZUMI BAND
カシオペア with 神保彰
「Truth」で始まって「ASAYAKE」で終わりましょう(笑)。
楽器のコーナー
を書くとえらいことになる。ドラム関係と目立つとこのみにしよう。
神保彰
ヤマハ ビーチカスタム・アブソリュート リムはアルミダイキャスト
スネアはビーチの神保彰シグネーチャーで、打面側のみリムをアルミダイキャストに変更
いつもながらかっこいい。あのテンポで「Take Me」が叩けるといいな。
向谷実
ヤマハ モチーフの6,7,8を三段積みってのが極端だ。
岩瀬立飛
今まではパールだったが、ノーブル&クーリーにスイッチしたようだ。珍しいセットだ。RIMS付きでホルダーはヤマハ。サイズは、22BD,8,10,12,14,16TT。このヒトはセッティングが低い。
ちょっと音が通らなかったし、演奏も地味め。こういうバンドだとストロークもかなり小さいんだな。
しかし、松岡直也で叩いてるとは知らなかった。榎本はどした?
東原力哉
いつものパール。シンバルは、ライドがターキッシュで残りはセイビアン。
相変わらずです。今回は全般にハイハットのバランスが小さかった。ドラムソロをやったのはリッキーだけ。あんだけよっぱらってたのもリッキーだけだろうな。
則竹裕之
ソナーからヤマハにスイッチした。黒のバーチカスタム・アブソリュートで、22,18BD,10,12,14,16TTってとこかな。18のキックはリモートで22の右に出すデイブ・ウェックル型だ。ほんの16小節で使用された。
スネアはジョン・ロビンソンJrシグネーチャー。もちろんヤマハの方。それとピッコロはなんだろう。
本田期スクエアに比べおとなしい演奏だ。スネアのゴーストが多くなったのが目立つ。
ちなみに、自分のスタイルに一番近いプロはこのヒトだと思ってるんだけど、どうでしょう。どっちも若作りだし(笑)。ホント38には見えないよなー。
安藤まさひろ
ギブソン、レスポール・スタンダード ゴールドトップ 54ヒストリックかな。P-90にバーブリッジ。リア・ピックアップはP-90と同サイズのハムバッカーに換えられており、ブリッジもアジャスタブルだった。こんな感じのヤツ、ちょっと欲しいな。
しかし、相変わらず「Omens of Love」のソロはいつもと同じ。途中にハーモニクスでアーム・ダウンするとこがあるんだけど、このギターじゃできないよな。
宮田繁男
タマのアートスターかなんか。22BD,12TT,16FTかなの3点セット。
これまたボトムを支えるって感じの着実な演奏だ。
林立夫
ヤマハ 旧型ビーチカスタム。ペアイエローだ。
しかし、結構ぶったたくね。
マイク・ダン
ケン・スミスの6弦
今剛、松原正樹
2人でおんなじVaritaのストラトを使っていた。色も同じトランス・ブルー。ちょっと気持ち悪いな。今は途中で持ち替えたけど。
2人とも、ラックに機材をぎゅーっと入れていた。今回のギタリストは、みんなラックぎゅー型。さすがクロスオーバーだ。
そうる透
ヤマハ モデルはなんだっけ。黄色のツーバスセット。
ちょっとうるさいドラムだった。
後藤次利
黒のスペクター4弦 全般にベースの音はあまり通らなかった。ショートソロも披露。