1999年9月、人類滅亡の2ヶ月後に発売されたのがアヴァンシア(AVANCIER)だ。
以下、広報資料から --------------------------------------------
もっと大人を愉しもう。
アヴァンシアとは、フランス語のAVANCER(前進する、進化する、の意)から生まれた名前。「これからの時代を生き生きと走る、進化したクルマ」を表現しています。
〈上級車〉の新しい進化が、ここにあります。
ホンダがめざしたのは、乗る人すべてが楽しく交流しながら、誰もが平等に快い、いわば「リムジン空間」の創造でした。
そのために、これまでの常識を一旦捨て去り、まったく新しい視点をもとに、これからの大人の上級車はいかにあるべきか、問い直すことから始めました。 たとえば、後席位置をさらに後ろに下げしかもシートスライドやリクライニングができるようにできないか。 心に響くフォルムや、なめらかでダイナミックな走り、そして高い安全性能や環境性能も上質なリムジン空間には欠かせない。そうした議論のなかから、一つ一つ、新しい骨格による新しいパッケージングをつくりあげていったのです。
4ドアの新たな可能性をひらく「新しいカタチの上級車」、それがホンダが提唱する《クラブデッキ》です。
引用終了-----------------------------------------------------
キャッチコピーは「もっと大人を愉しもう。」だった。ボディの形式を「4ドアクラブデッキ」と称しており、発売当初は「ワゴン」という単語を使っていなかった。
キーワードは以下の4つ。
・リムジンインテリア
・アーチキャビンフォルム
・シルキーコンフォート
・安全・環境
日本専用で、国外販売は無かった。高級車が苦手なホンダ車にしては、かなり「コンフォート」に振っている。特にV6は、当時としては振動騒音/乗り心地(NVH)が良好であった。
しかしながら、「アーチキャビンフォルム」のエクステリアデザインが不評。当然ながら、セールスは不調であった。
2001年9月にマイナーチェンジ。キャッチコピーは、「HONDAはワゴンに何をしたか。」で、この時から「ワゴン」と称するようになる。同時に、エクステリアに手を入れた「ヌーベルバーグ」を追加した。しかしながら、セールスは回復するはずもなかった。
2003年10月、3代目オデッセイの発売とともに生産中止となった。
乗るといいクルマなのだが、誰も乗ろうとしなかった。
もう少しエクステリアデザインが良かったらなと思う。しかしながら、いわゆる「ワゴン」は退潮期にあった。時代とHONDAブランドにマッチしていなかったのだろう。