これを聞こうA-Z

第16回:O = Oscar Peterson

We Get Requests / Oscar Peterson Trio
(プリーズ・リクエスト / オスカー・ピーターソン・トリオ 64年)

メンバー:
 Oscar Peterson(p), Ray Brown(b), Ed Thigpen(ds)

収録曲:
 Corcovado / The Days Of Wine And Roses / My One And Only Love / People / Have You Met Miss Jones? / You Look Good To Me / The Girl From Ipanema / D & E / Time And Again / Goodbye J.D.

 オスカー・ピーターソンは“鍵盤の皇帝”というニックネームが示すように、音楽性とテクニックを兼ね備えたジャズ界を代表するピアニストである。25年モントリオール生まれのカナダ人で、6歳からクラシックピアノを始め、14歳でアマチュア・コンテスト優勝をきっかけに音楽家としての活動を開始する。49年にカーネギー・ホールでデビューを果たし、それ以降はルイ・アームストロングを始めとする多くの有名アーティストとの共演やレコーディング、本アルバムの最強トリオの結成、様々なタイトルの受賞と大活躍する。93年に脳出血で倒れるが、リハビリを重ね96年に復帰している。

 本アルバムはタイトルが示すように、ファンのリクエストから選曲されたものだ。しかしながら選ばれた曲は、現在は「スタンダード」と呼ばれる曲ばかりだが、当時はどれもフツーの流行歌で、ジャズ・ミュージシャンがとりあげる曲ではなかった。現在の日本でいえば、ファンからの「ミニモニジャンケンぴょんをやって」とのリクエストに応えて「HIROSHI」(でかいメガネかけて派手な衣装でキワモノをピアノでやるやつ)がアレンジしてステージで演奏し、それがライブアルバムとなり、他のミュージシャンが、おお、これいいじゃんとみんなで演奏しているうちにスタンダードとなったと、ま、そんなイメージ(?)だ。なんのこっちゃ。ま、「スタンダード」って、最初はジャズでは無かったモノが多いのよ。

 てなわけで、収録曲の多くがスタンダードとして定着したことが示すように、選曲のセンスが抜群なのである。

 曲が良く、テクニックが秀逸、適度にブルージー、リズム体も当時の最高峰、とツボを押さえた名盤である。ジャズ入門者に推薦されることが多いアルバムだ。

 なお、今回はディスコグラフィーがありません。むちゃむちゃ多いので。(^^)

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Last Update : 2003/10/20