これを聞こう あーわ

第6回:は行 = プリズム

プリズム・ライブ / プリズム
(PRISM LIVE / PRISM 79年)

メンバー:
 和田アキラ(g), 渡辺建(b), 鈴木'リカ'徹(ds), 佐山雅弘(key)

ゲスト:
 森園勝敏(g), 久米大作(key), 伊藤幸毅(key), 村上秀一(ds), 佐藤康和(perc,vo), 白尾泰久(as)

収録曲:
 Memories Of You 〜 When You Were Gone / Turtle's Dream / Desperation Part-1 / Open Mind / Desperation Part-2 / Prism / Slow Move / 風神 / Summer After Noon / Breath Of Life / Beneath The Sea / Morning Light / Night Picnic / Love Me

 75年に和田、渡辺、久米、伊藤、森園、鈴木リカの6人で結成。76年にエリック・クラプトンの日本ツアーで前座に抜擢され(変な組み合わせだ)有名になる。77年に1stアルバム「PRISM」でデビュー。日本初のフュージョン・バンドといわれ人気沸騰。和田は「GRECO GO」のTV CMに出演。当時は映像メディアが少なく、その速弾きは多くの人に衝撃を与えた。79年の3rdアルバム「PRISM III」発表時に森園、久米、伊藤が脱退し佐山が加入。ライブ盤である本作では、前任3名はゲストという扱いになっている。この頃から、1stでソフトサイドと名付けられたA面(・・・)ような曲調は薄れ、和田のハードな弾きまくりギターと渡辺のメロディアスなフレットレス・ベースによるプログレ・ハード、といったスタイルを確立する。80年の「SURPRISE」発表時にドラムが青山純に交代。81年に佐山が脱退すると、中村哲(key,sax)が加入しアルバム「COMMUNITY ILLUSION」を発表。83〜84年には、和田はソロ活動に注力し4枚のアルバムを送り出す。アラン・ホールズワースの影響を受けた和田は、この頃からフルピッキング・スタイルから、ハンマリング、プリング、アーミングを多用する奏法へと次第に変化する。 85年に「NOTHIN' UNUSUAL」をリリース。メンバーは和田と渡辺の2人のみとなり、サポートメンバーとして、木村万作(ds)、松浦義和(key)が参加するというスタイルになる。なお、このアルバムにはゲストとして深町純(key)も参加している。89年に木村が正式メンバーとなる。95年に懐古型ライブアルバム「PRISM JAM」を発表。ゲストとして森園、佐山、村上秀一が参加している。2000年になんと渡辺が脱退し、後任としてWYSIWYGなどで活躍していた岡田治郎が参加。現在は、サポートとしてWYSIWYGや矢堀孝一のプロジェクトなどで活躍中の新澤健一郎(key)を迎え、精力的にライブ活動を展開している。

 プリズムはプログレ・フュージョンなどといわれることが多く、仕掛けの多い曲に和田アキラの畳み込むようなギターが特徴だ。

 本作はいわゆる第1期プリズムの、総決算と言えるライブアルバムである。1st〜3rdから選曲されており、曲も演奏もなかなかよろしい。新旧メンバーが参加しているが、このアルバムを最後に1期の3人が脱退している。そのため、プリズムの音楽性はかなり変わってしまった。おそらくこれ以前のファンが多いのではないか。

 高校時代に聞きまくったアルバムだ。デビュー時はフュージョンブームの幕開け期である。ってなんか同じ様なハナシが多いな。高3の学祭ではフュージョンバンドでギターを弾いており、カールトンやベックをやっていた。その時にオリジナルを1曲だけやったのだが、キーボード作のその曲は、その頃にはやっていたYMOもどきテクノ風リズムに、和田アキラというより本アルバム収録の「風神」をぱくったフリジアン・モードによるテーマとパワーコードのリフが乗るという珍しいものであった。ホントは「風神」がやりたかったんだよな。和田さんは当時の私にとっての、フェイバリットギタリストだったからね。大学の夏休みに地元太田市民会館野外ステージでやったライブでは、「Memories Of You 〜 When You Were Gone」「Night Picnic」「Love Me」をギターでやったし、ビームという私がドラムを叩き、倉沢大樹氏が参加していたバンドでは「Beneath The Sea」をやった。この曲のイントロのアルペジオはすこぶるかっこいい。

 プリズムは3回だけ見ている。最初は高校時代でEAST WEST(ヤマハのアマバンコンテスト)のゲストだった。佐山さん在籍時で人気絶頂の頃だ。天井からぶらさがったローランドのギターシンセGR初号機が印象的だった。2度目は京都の磔磔(たくたく)だ。この時は中村さんとお話ししている。当時はすでに人気を失い、あんなちいさなライブハウスがスカスカだった。3回目は「ライブニイコウ」を見て欲しい。

 プリズムは初期の4枚だな、やはり。その後はあまり好きとは言えない。ちなみに、聴くと悲しくなるアルバムの1位はプリズムの1st「プリズム」で、2位はスクエアの「スポーツ」である。なんでだろう?

 ということで、1stから本作までの4枚を聴こう。

Discography
 1977 PRISM
 1978 SECOND THOUGHT/SECOND MOVE
 1979 PRISM III
 1979 PRISM LIVE
 1980 SURPRISE
 1981 COMMUNITY ILLUSION
 1981 LIVE ALIVE (absolutely)
 1982 VISION
 1983 ∞(永久機関)
 1985 NOTHIN'UNUSUAL
 1986 DREAMIN'
 1987 LIVE ALIVE VOL.2
 1987 THE SILENCE OF THE MOTION
 1990 MOTHER EARTH
 1991 REJUVENATION
 1992 A PERSONAL CHANGE
 1995 PRISM JAM (Live)
 1995 UNCOVERED (Live)
 1997 PRISMANIA (best)
 1998 WHITER
 2001 IN THE LAST RESORT
 2003 PRESENT 1
 2003 PRESENT 2
 2003 mju:

選外:

 Pearl Is Future / パール兄弟
  このパール兄弟の1stは素晴らしく出来がよい。窪田晴男のギターがすげーかっこいい。しかーし、彼のソロアルバムはイマイチ。現在各方面で活躍中のバカボン鈴木(ベース)の実質デビュー作。

 Love Together / 広瀬香美
  名曲「ゲレンデがとけるほど恋したい」収録。イントロのシンセブラスがみょーに好き。このヒトは全般にいいよ。しかーし、BSでライブが放映されたけど、ステージはちょっとなー。

 光の子 / PINK
  PINKの2nd。岡野ハジメが参加しているってことで、若干のひいき目があるな。初期はかっこいい。

 深町純&ニューヨーク・オールスターズ・ライブ
  ブレッカーブラザース+スタッフ+深町純だ。スティーブ・ガッドのロングソロが聞ける。しかしブレッカーの名曲「ジャック・ナイフ」がかっこわるいんだよな。

 LIFE / ブラック・ビスケッツ
  名曲「タイミング」収録。これって中西圭三なんだね。恐るべし。しかし、曲もいいし、ビビアンもかわいいし、ブラビ対ポケビは明らかにブラビの勝ちなのにな。なお、「タイミング」のギターは元羅麗若の古川望だった。小森田実の曲も入っているが、もろにスマップだ。

 Fragile / Fragile
  矢堀孝一率いるフラジャイルの1stだ。スリリングなギターと叩きまくるドラム。矢堀さんのギターはかなり好き。

 サムシン カミンオン / 本田俊之&ラジオクラブ
  ちょっとビミョーなポップ感がよい。東原力哉が参加?

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Last Update : 2003/12/03