ソナーのスネアでこの一台と問われれば、ブロンズのピッコロを挙げるヒトが多いかも知れない。
ソナーコレクターの端くれとしては、やはりシグネチャー・シリーズをなんかしら持っていたいところだ。しかーし、シグネチャーのスネアはパラレルアクションのごついものばかり。14×8のスネアを持っていたこともあるが、いろんなイミで使いづらい。とりあえず、でかくてセッティングがしづらい。となると、ブロンズのピッコロか。
一般に知られているブロンズのピッコロは、HLD-593という型番だ。シェルはキャスト・ブロンズを5mm厚に削りだしたもの。ラグ、スイッチなどのパーツはライトのLD-400などと共通で、パーツの色はハイライト・エクスクルーシブ同様の銅メッキ。シグネチャーでパラレルで無いのはピッコロしかない。しかし、おいそれと転がっているモノでは無い。なにしろ新品時の価格が30万弱だもんね。なお、小山太郎さんの現在のメインスネアはこれだ。
たまたまひっかかったのがこのHLD-594だ。これは593のマイナーチェンジ版にあたる。95年にシグネチャーを含む旧型の上級機は生産中止になった。(こちらを参照)しかし、シグネチャー・シリーズはブロンズとブラスのスネアが残り、HLD(ブロンズ)とSY(ブラス:名前の通り主にオケ用)の2ラインナップとなった。木胴はスネアもセットも全て無くなってしまったのだ。その時にマイナーチェンジが行われ、ラグとスイッチがデザイナー・シリーズのものに変更され、パーツの銅メッキも廃され、型番は593から594となった。その後、02年にアーティスト・シリーズという、スネアの新ラインナップが発表された。これはソナー伝統のマイナス型テンションボルトを廃し、各頭ボルトを採用している。このシリーズのデビューに当たり、シグネチャーは生産中止となった。ブロンズのスネアは、アーティスト・シリーズとして、AS-1406という深さが6インチのもののみが現在も生産されている。
このHLD-594、ピッコロながら重量は7kgもある。軽いバスドラムより重い。ピッコロでこれだもんね。深さが8インチのHLD-598は15kgもある。なお、新品時の価格は27まん1せんえんだ。
シェルはブロンズを鋳造してから削り出す。エッジの部分の厚さは5mmで、中央部はもう少し削られており、3mmくらいか。軽量化かな。なお、DWのブロンズだと厚さは均一だ。
さて、例によってばらしだ。増し締め、防錆、グリスアップ。ヘッドは定番のレモ・コーテッド・アンバサダーで、ボトムもレモ。スナッピーはピュアサウンド。はい完成。
では叩いてみましょう。んー。おもってたよりパワーは無いな。ちょっと暴れ気味。手なずけられるかな。
活用して頂ける方に譲った。
SONOR Signature HLD-594 (ソナー シグネチャー)
サイズ: 14×4
シェル: ブロンズ 削り出し 5〜3mm
カラー: ブロンズ
フープ: 亜鉛ダイキャスト 10テンション
スイッチ: スローオフ 片側調整
スナッピー: ピュアサウンド P-1420 20本 内面当たり
ヘッド: 打面 レモ コーテッド・アンバサダー(JP)
裏面 レモ スネアサイド
年式: 90年代