師匠である小山太郎さんのスネアだ。
YD-700は1971年に発売された、当時のヤマハドラムのフラッグシップだ。ヤマハの歴史はここをクリック。この年代のYDシリーズは、700、600、500、400、300、200とあるようだが、仕様の違いがよくわからない。ネットにもほとんど情報が無い。YD-700に関しては、小山さんが所有している物と、宇都宮のジャズバー近代人にある物と、2セットのサンプルがあるのでだいたいの仕様がわかる。最大の特徴は、切削リムがすべてのタムに付いていることだろう。
このYD-700のスネアだが、初めて見た。ネットを検索したが画像は無い。YD-700と称したものもあったが、仕様が違うので間違いだろう。
特徴は、まず先にも述べた切削リムだ。これは、文字通り、切削加工で作ったフープだ。以前所有していたSD-055Mにもこれが付いていた。10テンションで、スイッチの逃げが加工されている。
次に、スイッチだ。グレッチのライトニング・ストレーナーとよく似たリンク構造になっているが、ライトニングには無いスナッピーの調整機構が付いている。
また、バット側にも調整機構がある。
また、内面はこれまたグレッチのように、グレーに塗られている。先のSD-055Mは、ラディックのスーパーセンシティブを意識しているが、このYD-700はグレッチがお手本なのだろう。ラグのデザインもなんとなく似ている。
では、ばらしてみましょう。
胴は7mmくらいで5プライだ。材質は、たぶんバーチなのだろう。しかし、穴あけの加工がひどいね。内側に割れが生じている。いかんなあ。なお、スネアベッドの加工は無い。
全体に構造はフツーなので、フツーに洗浄し、胴はワックスをかけ、パーツはクレ・スーパーポリメイトでコーティング、各部グリスアップして組む。ヘッドはレモで、スネアサイドは小山さんから預かったスムースホワイトだ。これは、コマキでしか買えないのかな。エッジにはろうを塗布。はい完成。
レッスンで叩いてみた。なるほど。ちょっとデッドで詰まるカンジ。高域があまり出ない。
小山さんは、どこかのライブで使うと言っていたので、興味がある方は注目してみて下さい。
YAMAHA YD-700 Snare
(ヤマハ YD-700)
サイズ: 14×6.5
シェル: バーチ 5プライ 7mm
カラー: ジェット・ブラック(カバリング)
フープ: 切削リム 10テンション
スイッチ: 両側調整
スナッピー: オリジナル 20本 内面当たり
ヘッド: 打面 レモ・コーテッド・アンバサダー
裏面 レモ・スネアサイド・スムースホワイト
年式: 70年代前半
スムースホワイトのスネアサイド。