まず、ジルジャンの歴史について、こちらを読んで欲しい。
アラム・ジルジャンの工房は、1909〜29年(くらい)の間ルーマニアのブカレストにあった。そのころに生産されたシンバルの刻印は「A Zildjian & CIE」だったようだ。ここの「CIE」ってのは「会社」って意味で、英語なら「co.」だ。イスタンブールのKジルジャンも、「K Zildjian & CIE」と刻印していたが、45年からは「co.」に変更された。(こちらを参照) このブカレスト時代は、アラムさんやらがハンド・ハンマーでシンバルを作っていた。Kジルジャンとの対比で、Aジルジャンと呼ばれる。しかしながら、その製品はほとんど現存しないらしく、当然ながらワタクシも見たことがない。
アラムの後継者であるアベディス3世は、米国でシンバルを作り始める。しかし、名前がアベディスで良かったね。じゃないと「A」じゃなくなっちゃう。ちなみに歴代社長は、アベディスの息子のアーマンド、その娘のクレイギー。となると、Cジルジャンになってしまうのか? (ならないでしょう)
その古き良き(かどうかわからない)アラム時代のAジルジャンの復刻版ということで、70年代に発売されたのが、この「A Zildjian & CIE」だ。しかしながら、ジルジャン初のブリリアント仕上げだし、フツーにマシン・ハンマリングだし、復刻になっているかどうか疑問な製品だ。そして、ごく短期間しか生産されなかったようだ。
なお、2001年にも「A.Zildjian & CIE Vintage」という製品が発売されている。一部にファンがいたようだが、これまた数年しか販売されなかった。
音はといえば、あー。フツーにAジルですか? ウェイトもミディアムで、2.5kgだとジャズっぽくならない。ピッチが高く、かなりブライトだ。
コレクターズ・アイテムのようだ。
Zildjian A.Zildjian & CIE Ride 20 70's
(ジルジャン Aジルジャン&CIE ライド)
サイズ: 20インチ
厚さ: ミディアムくらい (Medium)
仕上げ: マシン・ハンマリング
ノーマル・レイシング
ブリリアント仕上げ
重量: 2.5kg
年代: 70年代