ドラム

Vaughncraft Steam Bent Solid Cocobolo Snare

 ステーブ・ブビンガのキットを作ったガレージメーカーから、ココボロ(cocobolo)のキットを買わないかというオファーが来た。ココボロ単板シェルの18BD,12TT,14FTのジャズキットで、4せんドルだって。

 ココボロってのは、中南米産のローズウッドだ。サザンアメリカン・ローズウッドとも呼ばれている。ブラジリアン(ブラジル産の)・ローズウッド、別名ハカランダがワシントン条約で伐採も輸出入も禁止されているため、代用材として最近注目されている。ハカランダが使われるような、アコースティックギターのサイドやバックによく使われているようだ。まあ、ブラジルと中南米なら隣だもんね。似たような性質なのかね。ちなみに、ハカランダのドラムって無いのかなとググってみたが、スネアの飾り板で使ってるくらいみたい。ローズウッドのスネアはけっこう一般的だから、あってもよさそうだけど、コスト的にキビシイのかもね。

 シェルを作っているのはボーンクラフト(Vaughncraft)というメーカーで、単板専業のシェルメーカーみたいね。単板を蒸気で曲げる、スチームベント(steam bent)という工法だ。同様のシェルで有名なのは、クラビオットね。

 このボーンクラフトの単板シェル、けっこう安いのよ。通常、単板(ワンピース)のスネアって高いでしょ。クラビオットとか、スリンガーランドのラジオキングとか。実際の所、ドラムは部品で買うと安い。例えば米国のガレージメーカーが使ってるケラー社のメイプル胴って、それだけだとかなり安いのね。塗装してパーツ組んでバッジを付けると高くなっちゃう。

 ココボロのキットは買わなかったが、ハカランダに似た木目の美しさに魅了されてしまった。そこで、ココボロ単板のスネアを作ってみることにした。今なら1ドル85円。安い。

 しかーし、見積もりを請求したらば、シェルはそこそこ安いんだけど塗装がむちゃ高い。シェル本体がディスカウント込みで$280なのに、オイル仕上げが$205ってどうなの? なわけで、塗装は自分でやってみることにした。

 パーツは以前に組んだステーブ・ブビンガのキックと同様に、 Drummaker.com からの調達だ。ラグはチューブタイプ、スイッチはニッケルワークスにした。

 コスト(ドル)は以下。

14x5 cocobolo shell      280
45 degree bearing edge    30
snare beds          20
shipping           42
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小計             372

Brass Tube Lug Chrome x 8   43.60
Air Vent 1/2 Chrome Gromet  3.45
Strainer Nickel Piston Drive 52.16
Batt Nickel Drumworks     6.18
14" 2.3mm Chrome Snare Hoops 28.90
shipping           ***
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小計             134.29

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計              506.29

 パーツの送料が書いてないのは、他のものと一緒に頼んだから。これらに加えてヘッド、スナッピー、テンションボルトが必要だ。なので、全部でだいたい5まんえんくらいかな。

 はい、やってきました。おお、木目がキレイ。塗装はオイル仕上げにしてみた。まずサンディング。1回目を塗って、2回目はウェット・サンディング。さらに何回か塗り込む。仕上がりは、まあまあってとこかな。

 穴あけだが、垂直にあけるのが難しそう。友人のボール盤を借りようかと思ったが、径がでかくてセットできないのね。そこで、簡単なアタッチメントを買って対応した。しかーし、なかなかうまくいかない。バリは出るはセンターは出ないは。それでもなんとかパーツの組み込みを終えた。

 今回のポイントはエアベントの位置だ。せっかくの木目なんだから、シェルのど真ん中に付けるのはやだな。また、上下方向でセンターに付けるのはどうかと。センターってモード的に特異点だもんね。多くのモードで、モードやノードになっちゃう。パールは黄金比なんて言ってずらしてる。そこで、スイッチの上という画期的な位置に配したのだった。なかなかカッコ良くない?

 スイッチはニッケルワークスのピストンドライブだが、ちょっと仕様が変わっている。スイッチのフリクションを変えるネジが追加されたのね。画像でヘンなネジがでっぱってるでしょ。これをややフリクション有りに調整した。

 テンションボルトは、パールのステンレスをおごった。ノーマル比+2せんえん。ゴージャス。いえい。では、ヘッドを張りましょう。あー。ボルトが入らない。というのも外径がちょっと小さめ。なので、ラグにゲタを履かせないとボルトが入らないようだ。うーん。なんかいいものは、お、タマの樹脂ワッシャーが使えそう。内径が6mmくらいなので、ドリルでちょっともんで穴径を拡大。はい、できあがり。では、組んでみましょう。あれー、まだ入らないとこがある。というのも、真円になっておらず、長径と短径で5mmの差があるのだった。わお。なので、長い方向4つのラグにはゲタを2枚に増やした。スナッピーはピュアサウンド。やれやれ。やっと組み上がった。

 しかーし、パーツを組んじゃうと地味だね。木目も目立たないし。これじゃ、誰も注目してくれないよ。って、それが目的かい。。。(--;)

 では、叩いてみましょう。おお。いけるんじゃないか。

 ということで、さっそくライブで使用してみた。うーん。ピッチの割にヘッドのテンションが弱いカンジがする。径が小さいからかな。若干コントロールに違和感あり。

 まあそれでも、当分は主力機として使うことにする。

Vaughncraft Steam Bent Solid Cocobolo Snare
 (ボーンクラフト ココボロ単板スネア)
 サイズ:   14×5
 シェル:   ココボロ単板(スチームベント) 10mm + レインフォース 10mm
 カラー:   ナチュラル・オイル
 ラグ:    クロム・オーバー・ブラス チューブタイプ
 フープ:   トリプルフランジ スチール 2.3mm 8テンション
 ボルト:   パール ステンレス
 スイッチ:  ニッケルドラムワークス ピストンドライブ
 スナッピー: ピュアサウンド 内面当たり20本 P1420
 ヘッド:   打面 レモ コーテッド・アンバサダー
        裏面 ラディック スネアサイド
 年式:    10年

 木目が目立たないなあ。。。

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Last Update : 2007/07/18