弦楽器

ROKKOMANN C5

 K-Yairiをアコギ基地で買った。その時に、ナイロン弦のいわゆるクラシックギター(ガットギター)で手頃なのがあったらとお願いした。そうすると、多くの楽器の中から慎重に選ぶオーナーだ。なにしろ慎重に選ばないと、弦が張ってなかったりするのだ。

 「これはトップが単板です」と選んでくれたのが、30年前くらいに作られたというロッコーマンというブランドのギターだ。単板は偉いらしい。また、単板であると偽ることもあるようだ。「単板に偽り有り」(失礼)。タグには「田村満作」と書いてある。満作さんなのではなく、満さんが作ったようだ。木村万作はプリズムのドラムだ。また、ロッコーマンといえば楽器商社だが、関係があるのだろうか。きっとブランドの由来は六甲満だろう。実際、このギターは神戸からきたらしい。トップにクラックの修理後があるが、オーナーは「このギターは神戸大震災を乗り切ってきたのです。このクラックもその時のものかも知れない」とギャグをかます。バックはトラ目がばっちり出ている。音もなかなか良い。しばしの試奏の後、オーナーは「これがどのくらいのギターなのかは、こっちを弾いてみるとわかります」と弾かせてくれたのがきれいなギターで、50万もするものらしい。それを弾いてみるが、あら、六甲満の方が輪郭のはっきりした音がする。オーナーも「あああ、そっちのほうがいいですね。ははは。」である。なかなかおもしろい人である。しかし、提示された値段は半端では無かった。なにしろ、19888円とか、3925円とか、そういった半端な値段では無くポッキリプライス(失礼)。ということで、K-Yairiと合わせて2本のお買いあげとなった。

 謎のロッコーマンであるが、やっぱり柔らかいガットギターの音色はいいねえ。かなり弾きづらいのだが、お気に入り。さすが単板、ってホントかな。K-Yairiをほっぽってずっとこっちばっか弾いていたのである。それに、バックはすごーいフレイム(虎目)が出ている。これって元値はいくら位なのかな。全く目が利かないのであった。誰か教えて。

 磨いてみて気づいたのだが、ボディ左肩に子供のものと思われる字の練習のあとがある。たぶん、このギターに紙をのせて、ボールペンで高い筆圧とともに書いたのだろう。あとがくっきり残っていて楽しい。

 ガットギター、お勧めです。めざせ村路佳織。

ROKKOMANN C5(ロッコーマン 田村満 製作 70年代)
 ボディ:      トップ:スプルース単板
           サイド・バック:不明(フレイム)
 ネック:      マホガニー、ローズ指板
 ブリッジ:     ローズ
 ナット・ブリッジ: 牛骨

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Last Update : 2008/07/11