ライブ

05/10/10 シンクロナイズドDNA at モーション・ブルー横浜

日程:
 2005年10月10日(月)
場所:
 モーション・ブルー横浜
メンバー:
 神保彰(ds), 則竹裕之(ds)

 2度目のシンクロナイズドDNAだ。前回のレポートはこちら。今回は、DVD「Synchronized Paradise」の発売に伴うツアーで、その最終日だ。モーション・ブルーでの公演は、入れ替え制の2回。同行のシンクロナイズド・マニアが2回とも見たいというので付き合った。

 モーション・ブルーは初めて。横浜は赤煉瓦倉庫の一角にある。1回目の開場が4時で、整理券の配布が3時から。ちょっとだけ早めの2時半から並んだ。よって、2時半から2回目の終演である10時まで、ずーーーーーっと拘束されてしまった。ああ長い。

 1ステージ目は神保(以下敬称略)から見て右方向4m。高めの席で神保を見るには好適の位置だ。しかし、このライブハウス、中途半端な位置にPAのスピーカーが床置きされている。それが目の前。天井に移せよな。会場のキャパは200位かな。だいたい8割ほどの入りだ。男女比はほぼ同じくらい。ドラマー率は20%くらいと、割と少ないフンイキだ。年齢は30代半ばから40代が中心か。いわゆるフュージョン世代が中心になるだろう。

 5時半ぴたりに開演。オープニングは神保の新曲「Shake Shake」だ。前回は結成間もないこともあり、神保のワンマンオーケストラにおまけで則竹(以下敬称略)が入ったというカンジだった。楽曲もあまりシンクロ仕様になっておらず、1+1=0.8ってイメージだった。しかし今回はシンクロ率を上げ、エヴァも真っ青なコンビネーションを随所にみせてくれた。則竹のパッドを使わない新曲「淀屋橋ブルース」(公演する地方によって呼称を変えているらしい)では、スティック・クリック、ハイハット、シンバルミュート、キックの符割が巧妙で、かっこいい。こういうのが欲しかったんだよね。しかし、よくこんなのを覚えられるな。

 プログラミングも、どんどん複雑になってきている。ワンマンを始めた当時、キックのトリガーはベース音が主体であったが、最近の楽曲はそこにテーマを織り込む手法が増えている。ベース音とダブルで鳴らすのだが、テーマの音は歯抜けになっており、例えばキックを4分音符で踏み続け、テーマは1、4、5、7番目の4分で鳴る、といったようなプログラムになっている。「Never Be Alone」なんかはその好例で、テーマとベースはキック、コードはパッドを叩いて鳴らしている。

 神保のスタイルは相変わらずの神保。意外とシングルストロークのフレーズが多いんだよね。則竹は以前よりグルーピング型フレーズ、例えば8分音符5つ取り、7つ取り、なんてのが少なくなってきている。左に持ってきたチャイナを生かしたフレーズが増えた。また、手足コンビネーション型フレーズも減り、手数が増えている。神保の影響か。若干、則竹らしさが失われたカンジがあってちょっと残念だ。ソロのバックである神保の音をもっと押さえた方がいいのかも。薄いリズムに乗せた方が則竹らしさが出るのではないかと思う。

 ところどころに、神保のパッドの叩き損ねがあった。則竹もリズムを見失ったところがあった。通常はあんまり目立たないんだけど、「Teen Town」では神保がテーマを叩き損ね、4小節の空走があった。こんなのは初めてだな。

 音のバランスは、何しろPAよりも前の席なのでいまひとつ。ま、しょうがない。しかし、神保の生音が聞ける位置だった。神保の新セットの音はちょっとばさばさしている。

 アンコールも入れ、1時間半のステージだった。思ったよりも良かった。めでたしめでたし。って、2ステージ目もあるんだっけ。

 ここの会計が遅いのはネックだ。1ステ後、2ステも見るのでゆっくり出ようとしたのだが、会計の列がなかなか短くならない。レジが2つしかないし。ブルーノート東京はずいぶん早くなったのにな。終電に間に合うには、馬車道駅に10時半にはたどり着かねばならない。2ステージ目はそれを考慮に入れ、会計の渋滞を回避すべく、やや後方のソファー席を選んだ。このソファー3客だけみょーにでかくて楽ちん。VIP席か。この周辺も禁煙にして欲しいな。

 2ステージ目は、若干客の入りが渋く6割くらいか。男女比は3:7くらいと女性が多くなった。ドラマー率はさらに減って10%くらいか。おねおばさんが多いね。カシオペア世代なのかな。

 2ステのセットリストは、1ステと全く一緒だった。MCも基本的には一緒だった。今回、「総合司会」ということで、則竹がいろいろ話したのだが、神保とのシンクロは、なんかちょっとちぐはぐだが、それはそれで、笑いをとっていた。「Rockin' It Up」では、則竹の声をサンプリングして使っている。「びえー」「あーくたびれた」「いやー」「のりたけです」といったもので、曲中のブレイクで「いやー」にシンクロして則竹が両手をあげるというシンクロナイズドDNAが行われる。1ステはばっちり決めたのだが、2ステは神保のミスから「いやー」ではなく「あーくたびれた」が出てしまった。

 「淀屋橋ブルース」はひとつの完成型だ。ただ、ネタ切れが心配。このパターンでどれだけアイデアが出せるかが、このユニットの存亡を決めると思う。ワンマン・オーケストラ型は神保一人でもいいもんね。

 アンコールが始まる前に会計を済ませた。終演は10時ぴたり。最終1本前の宇都宮線各駅停車に間に合うのだった。それでも帰宅は1時半だよ。

 もう1回見てもいいな。でも、1ステだけね。相変わらずドラマー以外のヒトにはお勧めしません。

Set List
 Shake Shake
 The Age of Communication
 Synchro Mambo
 DNA Express
 Bridge Over Troubled Water
 Double Helix
 Never Be Alone
 Teen Town
 淀屋橋ブルース(仮)
 Rockin' It Up
 Synergy
encore
 Luna Siciliano

則竹:
 YAMAHA Birch Custom Absolute Nouveau
 BD:22x16, TT:8x7, 10x8, 12x9, 14x12, 16x14 色はアップル・スパークリング・フェイド。
 ってことで、ほとんど神保さんと同じ点数、サイズになってしまった。ま、フレーズをシンクロすることもあり、このユニットではある程度そろっていた方がいいかと。
 神保さん推奨のタムのミュートが、このセットにも付いている。これは、えー、文字で説明するのは困難だが、シンバルのフェルトに短冊を付けて、それをタムにくっつける。叩くとはねるようになっている。わかりませんね。はい。で、則竹さんのは赤で神保さんのは白と色もセットに揃えてある。
 スネアはメインが13x5.5くらいのスチールかアルミ。変えたね。ちょっと意外な選択だ。サブに10x4のピータ・アースキン・シグネーチャー。サブとしてはピッチが低めで、スナッピーがざらざらの音。
 ジルジャンのシンバル。ドラマーから見て左から、20チャイナ、6スプラッシュ、16クラッシュ、8スプラッシュ、20ライド、18クラッシュくらいか。チャイナが左に来たね。一時、シンバルのセッティングはかなり低くなっていたのだが、また高くなった。
 キックのマイクは、ヤマハのサブキック(ノリンボのイラスト入り)に加え、フツーのマイクもつっこんであった。また、神保さんとオーバーヘッドのコンデンサマイクの種類が違うんだね。こだわりか。
 いわゆる則竹ーなフレーズが減った。ちょっと残念。

神保:
 YAMAHA Oak Custom Absolute Nouveau
 BD:22x17, TT:8x7, 10x8, 12x9, 14x12, 16x14 色は神保カラー。ホワイト・スパークルのラメ5倍増し。
 スネアもOak製13x7の新型神保モデル。フルセット+スネア=596,400えんで限定販売中。お求めの方はお早めに。スネアだけでも買えます。
 スタンドのアーム類は必要十分な長さに切りそろえてある。いいな。
 もちろんティンバレスもセット。
 ジルジャンのシンバル。ドラマーから見て左から、9スプラッシュ、17クラッシュ、12スプラッシュ、20ライド、15Azuka Latin Multi Crash、17チャイナ、19クラッシュ。
 大きな変更があった。ライドは、神保さんプロデュースの、Kカスタムのハイブリッド・ライドというものだ。これは、真ん中へんがブリリアント仕上げでレイジング(溝きり)無し、周辺がレイジングありという仕様だ。最近発売された。今回はなんと、アズーカを除くすべてのシンバルがハイブリッド仕様になっていた。これって売るのかな。

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Last Update : 2005/10/12